「アイロン」と「衣類スチーマー」どっちを買えばいい?【家電のプロ】に聞きました
こんにちは、家電ジャーナリストの岩崎です。2020年まで“白物家電”専門サイト『家電 Watch』編集長を務めており、さまざまな家電製品に触れる機会がありました。この連載「家電のプロに聞く!失敗しない家電選び」では、家電を選ぶ時にチェックしておきたいポイントを詳しくお伝えしていきたいと思っています。 【動画ほか】ティファールが紹介する「衣類スチーマーの基本的な使い方」を動画で見る! 今回は、アイロンと衣類スチーマーの違いと、選び方をご紹介します。 衣類スチーマーが登場して、あっという間に人気になったことで、「スチーマーのようにも使えるアイロン」も増えました。その結果、アイロンとしてもスチーマーとしても利用できる2Wayの商品も登場しています。 アイロンと衣類スチーマーを、機能や使い方の違いから説明していきましょう。
プレス面の有無や大きさ
アイロンと衣類スチーマーの最大の違いは、プレス面です。 そもそもアイロンは、衣類を高温と圧力でプレスしてシワをとることが目的です。一方、衣類スチーマーは衣類をプレスすることなく、蒸気の力で布のシワを伸ばすことが目的です。アイロンには大きなプレス面がありますが、スチーマーの場合はプレス面がないものや、あっても小さいものが多いです。 例えばワイシャツは、特にえりやカフスはパリッとプレスされている方がかっこいい仕上がりになるので、形状記憶加工のないワイシャツではアイロンのプレス面は重要です。 ですが最近のワイシャツは、形状記憶加工のあるものが主流です。またワイシャツだけでなくさまざまな衣類に「シワになりにくい素材」が導入され、しかもお手頃価格で買えるようになっています。衣類の素材が進化し、価格も安くなったことは、衣類スチーマーが人気になった大きな要因です。 ですのでプレス面の有無は、どういった素材のシワを伸ばしたいのかで決まってきます。天然素材でできたシワになりやすい素材であればプレス面はあったほうがいいですし、合成繊維が入ったシワになりにくい素材の服がほとんどであればプレス面はなくてもいいでしょう。 とはいえアイロンや衣類スチーマーは、一度買うと壊れない限りはあまり買い替えないもの。メーカーのいう平均寿命は5~7年とされていますが、あまり使用頻度が高くないご家庭では20年以上同じものを使い続けているという話も聞きます。 また服の素材は流行にも左右されますので、将来どんな素材の服を着ているかは正直分からないところです。このほかに服が変化する要因としては、「転職で仕事が変わり、着る服が変わった」「幼稚園でどろんこになっていた子どもが進学し、制服を着るようになった」などがあるでしょう。判断がつかなければ、プレス面がありつつスチーマーとしても利用できる2Wayタイプがいいでしょう。 プレス面を備えたアイロンや2Wayタイプの場合は、プレス面の素材や形も見ておきましょう。アイロンはプレス面の滑りが良いと使いやすいもの。耐久性と滑りの両方が優れている素材はセラミックですが価格が高い傾向があります。コストバランスが良いのはチタン系、安価なのがフッ素コートです。長く使えるかどうかの判断にはアイロンがけの頻度も重要ですので、日常的にアイロンがけをしているような場合は、お財布に余裕があればセラミック系がおすすめです。 アイロンのプレス面の形状は、オーソドックスな三角形のもののほかに、上下両方が尖っている木の葉型のものがあります。木の葉型はアイロンを前後に動かしても引っかかりにくく使いやすいですが、三角形のものよりプレス面が小さいので、お好みで選ぶといいでしょう。 2Wayタイプのプレス面は、小さいながら効率的にプレスできるように工夫されており、さまざまな形があります。これらを選ぶ場合は、ぜひ店頭で台の上においた布の上を滑らせて、使いやすいかを実物で試してみてください。またスチーマーに一応プレス面もついているようなタイプは、円形や楕円形のものが多く、圧力をかけてしっかりプレスするという用途では作られていませんので、注意してください。