M-1前からミルクボーイを抜擢 在阪ラジオPの熱き思い
面白さ見つけたら何度も確認「奇跡の一回の可能性もあるんで」
「見応えがあります。何度も行っていると、成長していく過程や、このネタがこう変わったんやとか、雰囲気かわってるとか」と三浪さん。 着目点はそこだけではない、お客さんの反応も大事だ。舞台終了後に、お客さんたちが「きょうはだれが面白かったね」「あの漫才のココがよかった」と話していることも大きな参考になるという。 実際に、こうした行動からミルクボーイや霜降り明星と巡り会えた。ミルクボーイは、約2年前に注目。上ノ薗さんがプロデューサーを務める番組のゲストに呼び、どんなフリートークをするかなど確認した。 「おもろい人がいたら、何度か舞台に通って確かめます。『奇跡の一回』の可能性もあるので。番組に呼べるのはプロデューサーの役得ですね」 その後、ミルクボーイを自身の番組内で行ったM-1をモデルにしたお笑いバトルの「くすぶり枠」でも出演させたところ、そこで見事に優勝を勝ち取った。 上ノ薗さんは「彼らがやってた実力。根本的に僕らはちょっと手を添えるだけですから、基本的には芸人さんの実力と努力。こんだけ努力して、こんだけ面白い子が世に出てほしいと思ってるだけなんで」と話す。
劇場通いは自腹「月で割ったら、習い事の月謝みたいな感じ」
時間を見つけて劇場に行く。日夜忙しいラジオマンにとって、上から「これをやっとけ」「これが終わるまで帰らんとって」と言われたら、そう簡単にはできない行動だ。 しかし、三浪さんは入社前からの無類のお笑い好き。大学生のころは平日は劇場、土・日は東京までお笑いライブを観に行く日々を過ごし、就職活動の一環として吉本にインターンシップをした経験もある。現在は「おはようパーソナリティ-道上洋三です」「霜降り明星ねだましうち」などの番組を担当し、試行錯誤しながら時間を作っては劇場へ通う日々が続いている。 劇場への入場料は、上ノ薗さんも三浪さんも自腹。費用は一舞台平均2千円として、100回は買っているため、年間20万円以上は払っていることになる。 三浪さんは「上ノ薗さんから『入社した時、誰と仕事してお金をもらってるんや。芸人さんと仕事させてもらってるんやったら、芸人さんにお金を使いなさい』と言われたことがあって。僕はお笑い好きなので『じゃあ行ってもええんや』『もっと行かなアカン』という気持ちになりました」 上ノ薗さんは「いつもネットでチケット取って通ってます。招待されると、マネジャーさんに『どうでしたか』と聞かれ、あたりさわりのないことしか言えないんで。千円でも払ってたら真剣に見ますもん。そこで、面白いのを見せられた『ほらキター』と思い、得るものが多いですから。12か月で割ったら、習い事の月謝とかを思ったら安いもんです」と笑顔で話す。