巨人、34年ぶりセ・リーグ全球団勝ち越し&5年ぶり首位ターン!「景気回復の動き」を示唆する身近なデータ【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
24年上半期のG1レースの売得金・前年比は、全12レース中4レースが増加、8レースが減少
24年前半のG1レースの売得金・前年比は全12レース中、4レースが増加、8レースが減少となりました。23年後半のG1レースの売得金・前年比が全12レース中、8レースが増加、4レースが減少だったので、24年前半のG1レースの売得金・前年比はちょうど逆で、悪い方の結果になりました。今年3レース目の3月末の大阪杯が初の減少になり、続く4月は3レース全てで減少。5月は4レース中、増加と減少が2レースずつになったものの、6月の2レースは減少と、パッとしない内容になりました。
24年JRA売得金・年初からの累計前年比、6月初めまで鈍化傾向だったが、直近は徐々に持ち直し、13年連続前年比増加に向けて推移
24年のJRA売得金・年初からの累計前年比は、プラス基調は維持してきたものの年初から伸び率が6月初めまで鈍化傾向で、6月2日時点・6月9日時点では連続して+0.4%と今年になっての最低の伸び率になり、もたつきが感じられました。しかし、そこから徐々に持ち直し、7月21日までの年初からの累計前年比は+0.8%になり、13年連続前年比増加に向けて推移しています。
セ・リーグは、巨人が34年ぶりにセ全球団に勝ち越しての首位ターンで、優勝が期待される状況。優勝年の平均でみて、巨人優勝年は、日銀の12月短観・業況判断DI・前年差が改善傾向
プロ野球セ・リーグは7月21日にオールスター前となる前半戦を終了しました。首位に立ったのは巨人で、19年にリーグ制覇して以来5年ぶりの首位ターンです。前半戦終了時の2位は1ゲーム差で広島、3位に2.5ゲーム差でDeNA、4位に3.5ゲーム差で阪神が追いかける、混戦状態になっていました。 なお、巨人は後半戦最初のカードのDeNA戦(7月26日~28日)で今季3度目の同一カード3連勝、貯金を最多の11としました。2位の広島とのゲーム差は3ゲーム差に広がりました。 オールスター・ゲームが始まった1951年以降、巨人がオールスター・ゲームを折り返しとした前半戦を首位ターンしたのは、19年(最終順位は優勝)以来5年ぶり36回目(新型コロナウイルスの影響で球宴が開催されなかった20年は除く)。過去35回のうち優勝したのは29回あり、優勝確率は83%になります。さらに、セ全球団に勝ち越しての折り返しになりましたが、これは実に90年以来34年ぶり12度目で76年の2位通過を含めて過去11度全てリーグ優勝を果たしています。 巨人の新人監督の優勝は1936年秋の藤本定義、43年の中島治康、61年の川上哲治、81年の藤田元司、02年の原辰徳の5人。51年以降の過去3人はいずれも前半戦首位ターンで、リーグ優勝、日本シリーズ優勝を達成しています。今年も新人監督の、阿部慎之助・監督への期待が高まります。 1973年以降、プロ野球シーズン終了直後の12月調査(96年までは11月調査)で大企業・全産業・業況判断DI・前年差をみると、51年間の平均は▲0.0ポイントです(73年当時は中小企業のデータはありません)。巨人がセ・リーグ優勝した20回の平均は+5.7ポイント、阪神が優勝した4回の平均は+3.3ポイントと、人気球団の優勝年は平均すると変化幅プラスですが、他の4球団の優勝時の変化幅の平均は▲4.7とマイナスです。 なお、巨人が日本シリーズで優勝した年の平均変化幅は+11.3ポイント、長嶋監督で日本シリーズ優勝した年の平均変化幅は+23.0ポイントとなっています。 今年、前半戦首位ターン巨人のセ・リーグ優勝し、企業の景況感が前年より改善となることを期待します。 大相撲の懸賞や、JRA売得金、接戦ながら巨人の全球団に勝ち越しての前半戦首位ターン、といった身近なデータの最近の動きは、7月の月例経済報告の「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。」という判断と整合的なものと言えそうです。 ※本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。 宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト) 三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
宅森 昭吉
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