新潟医療福祉大・古山夏帆さん、野球部で「リズムトレ」指導 公務員志望一転、指導者の道歩む
スポーツへの関わり方は、無数にある。 新潟医療福祉大大学院に通いながら、同大男女硬式野球部でリズムトレーニング(以下、リズムトレ)を指導する古山夏帆さん(23)もその1人だ。野球経験こそほとんどないが、大学での講義をきっかけに、指導者への道を歩み始めた。今後の思いなどを聞いた。【取材・構成=大島享也】 【写真】大きなスピーカーを横に笑顔をみせる古山夏帆さん ◇ ◇ ◇ 午後2時50分。練習開始10分前になると、古山さんが大きなスピーカーを抱えてやってくる。大学3年の冬頃からグラウンドに通い始めて、約1年半。「最初は緊張しましたけど、今はだいぶ。楽しくやらせてもらっています」。今ではリズムトレの指導が楽しみの1つだ。 19年に同大でも本格的にウオーミングアップの一環として取り入れられたリズムトレは、プロ野球チームからシニア、保育園などの教育現場でも導入されている。 きっかけは「野球指導論実習」を履修していた当時ダンス部の古山さんを、同大硬式野球部の佐藤和也総監督(67)と鵜瀬亮一監督(43)が「指導者」として勧誘したことだった。それまでは、現役の野球部員で簡単な動きしか出来なかったものが、ダンス部独特の難しい動きを取り入れることでより「リズム感覚」や「足裏の感覚」を養うことにもつながった。 元々は「安定を求めて」の公務員志望だった。だが、大学入学時に新型コロナウイルスがまん延し、思い描いていた大学生活は送れなかった。3年冬に、久々に人と向き合い、「指導する楽しさ」を見いだした。「意外と向いてるのかもって。やってきたダンスもいかせるし、自分に合っているなと思った」。 指導者の傍ら、大学院生としても日々を過ごしている現在は、「リズムと野球」の関係性についての研究をしている。「効果はあるなと。ただ、そのエビデンス(根拠)がないので、研究中です」と勉学にも励む。 野球経験はない。それでも、「新潟の小、中、高、大で野球のレベルが少しでも上がって欲しい」と思いを込める。いろんな人の支えがあって、野球が、スポーツが出来ている。 ◆古山夏帆(ふるやま・なつほ)2001年(平13)6月13日生まれ、新潟市出身。高校から本格的にダンスを始め、新潟中央高3年では全国中学校・高校ダンスコンクールのソロ部門で全国2位。新潟医療福祉大4年時には、あきた全国舞踊祭モダンダンスコンクールのデュエット部門で総合3位を獲得。大学4年時にリズムトレーニングインストラクターとリズムステップインストラクターの資格を取得。血液型O。 ◆リズムトレーニング さまざまな音楽のリズムに合わせて、複雑なステップや複数の動きを組み合わせて行うトレーニング。教育現場などにも用いられ、リズム感を高めることで、運動能力の向上などにつなげる。