実態のない「就労支援」で月26万円を不正受給、「移動支援」の中身は“たこ焼きパーティー”…なぜ介護業界で不正がまかり通るのか?
社長を直撃「不正請求疑惑は“誹謗中傷”」
なぜ不正がまかり通るのか。前出のB社スタッフが続ける。 「大阪市の職員が定期的に立ち入り調査をするのですが、その実態は、記載漏れがないかなど書類をチェックする程度。書類を見ただけで、水増しや不正をみつけることなど不可能に近い。しかも、立ち入りの日は数か月前に市から予告されるため、その間に書類の改竄(かいざん)もできてしまいます。実際に会社は市から予告があると、書類の辻褄(つじつま)合わせをしたり、実態と異なる書類を作成していました」 こうした関係者らの話をもとに、B社の事務所で社長を直撃した。すると、社長は約80分にわたって、こう喋り続けた。 ──不正請求をしている? 「そんなん、誹謗(ひぼう)中傷もいいところ。私、ホームレスの支援も22年してるし。今度、ウクライナ人さんの支援をしなければいけない。大体うちってボランタリーなので。西成の病院に入院したら殺されるって思ってる人もいるんです。だから、尊厳死の宣言をしてもらって、終末まで(うちが)サービスをして、最期まで看取るっていうシステムを作ったんですよ」 ──サービス内容を水増しして請求しているのか。 「水増し請求ってどういうことですか?(逆に)ボランティアまでしてますよ」 ──作業場での就労の実態がないのに「就労支援」をしたことになっている人もいると聞いた。 「在宅で仕事してもいいっていう人もいるんですよ。ここに来れない人がいるんです。なぜ来れないかって言うと、あの…、大家さんに来ないでくれって言われてる。お金借りまくって追い出されてしまったの。ほんでシェルターに保護して、別のとこ入ってもらった」 ──わざわざ来て、出席のハンコだけ押して帰っている人もいますよね? 「誰それ?いるわけない。例えば乾さんは、うちの身内みたいなもんやから、ハンコ押すだけでいいよって言いたいとこですけど、押してません」 ──例えば〇〇さんは作業所でほぼ見ないそうですが。 「来てますよ」 ──どれぐらいの頻度で? 「もう毎日。彼には特殊な仕事をしてもらってるんです。今度頼んでるのは、えっと…、ホームページ作ってもらったり。精神疾患があるので、就労場所はここ(作業所の上の階)で」 ──では今もいらっしゃるのですね。 「いやいや…、今はちょっと、自宅でやってます」 ──先ほど、毎日、と。 「いやいや、毎日連絡を取って仕事してます」 と話は二転三転した。さらに、「うちはチャイナに狙われている」「安倍元首相殺害現場に怪しい人物がいたことを私は知っていた」などと脈絡のない話まで飛び出す始末だ。