どこからがカスハラ? 客による迷惑行為やクレーム、線引きに苦慮するタクシー会社や市役所
市役所のカスハラ対策は──
市民サービスを提供する市役所でもカスハラは起きているといいます。対策はどれぐらい進んでいるのでしょうか? 13日朝の愛知県による協議会にも出席した、大府市。市役所の窓口で、大声を出されたり、不当な要求を執拗に受けたりすることがあるといいます。 「私たち行政職員は、地元の住民の方々と非常に近いところにいると思っている。関係も一時的なものではなく、その人との関係が続くということから、対応に苦慮する場合もある」(大府市 企画政策部 長江敏文 部長) 悪質な電話に対応するため、録音機能付きの電話を導入したり、窓口に防犯カメラを設置したりするなどして、カスハラを防ぐ対策を進めています。 「どこからがカスハラになるのかは難しいというような話も本日の協議会で伺ったので、各団体の意見を聞きながら協議会の中で、より良い対策ができればというふうに思っている」(長江敏文 部長) 名指しのカスハラを防ぐため、フルネームの名札を廃止し、名字だけの名札で対応する自治体も増えてきています。 カスハラを巡っては東京都が、全国初の「カスハラ」防止条例の制定を目指すなど、各地で対応が加速しています。
カスハラ問題に専門家は──
ただ、カスハラ問題に詳しい専門家は、カスハラの基準を一律で線引きするのは難しいと話します。 「業種業態でカスタマーハラスメントの状態状況は違うので、店の状況で自分たちで決めていくということがこれから求められる。お客さんと企業の力関係を作ってしまった。『お客さんが偉い』としてしまったのでカスハラが起きた。お客さんと企業・店は対等。だからといって企業がお客さんをぞんざいな扱いはしてはいけない。対等なんだから互いに許し合う、助け合う関係性が必要。寛容な気持ちを持つことがカスハラを無くす一番肝心なポイント」(カスハラ問題に詳しい東洋大学 桐生正幸 教授)