50代目の病気「ものがゆがんで見える」「視野が欠ける」
50代から増える加齢黄斑変性とは?どんな病気なのか、美容ジャーナリスト小田ユイコが専門の医師、尾花 明先生にお話をうかがってきました。 50代から起こりやすい「カラダの不調」
スマホやPCを見続ける生活、野菜&フルーツ不足、魚離れが加齢黄斑変性を誘発
そもそも、加齢黄斑変性とは目にどのようなことが起こる病気? 「黄斑は、目の奥にある網膜に分布している視細胞のうち、ものの形を見極める錐体という細胞が集中している部分。黄色い色素があるので黄斑という名前がついています。この黄斑が酸化によって壊れてしまうのが加齢黄斑変性です」。 黄斑の酸化はなぜ起こるのですか? 「強い光を浴び続けることによって酸化を起こします。スマホ、PCはもちろん、夜間の明るすぎる照明も黄斑に酸化ストレスを与えています」 スマホでドラマを見続けたり、PCでずっと作業を続けたり、リモートで会議をしているあいだ中、黄斑にダメージを与えていたんですね。 「その通りです。人類はデジタル生活にシフトして、誕生以来もっとも深刻なダメージを黄斑に受けています。それに加えて食生活の変化。黄斑には、光による酸化を防御するために黄色い色素、ルテインやゼアキサンチンといったカロテノイド色素がもともと備わっています。ところが、日本人はカロテノイドの材料となる緑黄色野菜や果物の摂取量が不足。また肉食生活により、抗酸化に欠かせないDHA、EPAを含む魚の摂取も不足。これでは加齢黄斑変性患者が増えても仕方ありません」 黄斑の色素を補いきれていないんですね。 「実際、加齢黄斑変性を患っている人は健常なひとより黄斑色素の量が少ないことがわかっています。コレステロール値高め、血圧高め、血糖値高めの人も野菜や魚が不足しているはずなので要注意。ちなみに、加齢黄斑変性にり患する人で、コレステロール値、血圧、血糖値高めな人は多いです。 それと、タバコは論外! タバコを吸っていたら、いくら食事に気をつけても、元も子もありません」
デジタル機器を長時間見つめることは、老眼や乱視、白内障やドライアイ、肩こりを引き起こすだけでなく、加齢黄斑変性の原因にも。