Snow Man渡辺翔太がバラエティMCに圧倒的に向いているワケ。過去にも見せていた“振る舞い”とは
渡辺翔太はなぜMCに向いているのか?
でもぼくらはもう放送後ロスなんて気にしなくていいんだ。初のMC番組『この世界は1ダフル』の放送が始まった。あぁ、これからは毎週見られるんだからなぁ……。『青島くんはいじわる』第6話の青島は雪乃宅に一週間毎日通った。これは“しょっぴーの百夜通い”だなと名付けたくなった。対するぼくらは1週間を楽しみにこれから毎週、画面越しのMC渡辺翔太と会える。 各界のレジェンドが人生一の話を紹介するVTR前、カメラ目線で右手人差し指でジェスチャーしながら「この世界は1ダフル」とあざやかなVふりをする。俳優、歌手(アイドル)だけではなく、バラエティ番組でもポテンシャルを発揮する渡辺翔太はなぜMCに向いているのか? Snow Manの公式YouTubeチャンネル動画を見ていてもそうなのだが、渡辺はMC担当ではないときでもその場をコントロールし、MC的な役回りを自然と演じてしまう。そうして自分のペースを保つ天才。グループ初の冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS)でも実に顕著だ。 8月9日放送回では、TBSで2011年まで放送されていた『東京フレンドパーク』が一晩限定で復活した。ゲストが身体をはってゲームに挑戦する。第1アトラクション「ウォールクラッシュ」で上方に高得点が配置された壁めがけてダッシュする渡辺が素晴らしかった。両手それぞれ50点に手を付けて、着実に高得点を狙う。身体的なポテンシャルをあえて温存することで、むしろ番組序盤の空気を完璧に整えていた。
主題歌とトップバッターが完璧に同期
まるで構成作家の役割も引き受けるかのように、スタジオで実践的にさらっと振る舞ってしまえる。単なる進行役ではなく、番組全体をコントールする役目であるMCに向いていないはずがない。『この世界は1ダフル』自体が彼のMC的才能を引き出してもいる。記念すべき最初のVTRはオグシオこと小椋久美子と潮田玲子が選ぶリオ五輪バドミントン女子決勝だった。 大逆転を決定づけたワンショットなど、注目ポイントが細かい。続く大林素子セレクションに対してダブルMCの東野幸治が「渋いなぁ、この番組」と鋭いコメントをしている。 そう、この番組の視点は細かく「渋い」のである。ちょうどぼくらが渡辺の演技を語るときもどれだけ渋いと言われようが徹底的に細かいところに着目してしまう。ワンショットごとに苦しいくらいいちいち心ときめく『青島くんはいじわる』では、演出と呼応する渡辺の細やかな演技が実際の画面上にいくらでも確認できる。 特に各話のクライマックス。エンディングのクレジットが表示される直前だ。雪乃にしろ青島にしろ、どちらかが相手への強い気持ちを行動に移すとき、あまりに絶妙なタイミングでSnow Manによる主題歌「君は僕のもの」が画面を満たす。きたきた。思わずはしゃぎたくなる。この一瞬のときめき。視聴者は魔法にかけられる。同ナンバーを歌うトップバッターである渡辺の歌いだしを待ちながら、マジカルなイントロのコーラスに耳が喜ぶ。 テレビドラマの主題歌としてアーティストが単に楽曲提供したんじゃない。タイトルロールを演じる俳優が主題歌を歌い、その上で主題歌とトップバッターが完璧に同期する。第3話で雪乃を試した青島が風邪をひいたふりをする。呆れて帰っていく雪乃を追いかけるクライマックスでは、渡辺の歌いだしを待てずにぼくらが画面めがけて走りたくなった。