北九州中学生死傷事件で43歳男を逮捕 決め手「県民市民からの‶防カメ″や‶ドラレコ″百数十件」 【福岡発】
北九州市のファストフード店で12月14日夜、中学生の男女2人が男に刺され、女子生徒が死亡した事件で、警察は12月19日午前、現場近くに住む43歳の男を逮捕した。逮捕容疑は、重傷を負った男子生徒への殺人未遂容疑について。警察は、死亡した女子中学生への殺人容疑についても「必ず再逮捕する」と強い決意を示した。 【画像】容疑者は近くに住む43歳無職の男 12月19日正午。容疑者逮捕を受け捜査本部が置かれる北九州市の福岡県警小倉南警察署で記者会見が開かれた。冒頭、小倉南警察署の持丸宗徳署長が「不幸にもお亡くなりになった中島さんの冥福を祈り、負傷した生徒の回復を祈ります」と語り、逮捕概要の説明を始めた。
容疑者は近くに住む43歳無職の男
逮捕されたのは、現場から1キロほど離れた北九州市小倉南区長尾に住む無職、平原政徳容疑者(43)。警察の調べによると、平原容疑者は12月14日午後8時25分頃、北九州市小倉南区徳力のマクドナルド店内で、殺意をもって男子中学生(15)の腰のあたりを持っていた刃物の様なもので刺し、重症を負わせた疑い。平原容疑者は「確かにその行為はしました」と男子生徒への殺人未遂容疑を認める供述をしているという。
決め手は防犯カメラや‶ドラレコ″
その後の警察への取材で平原容疑者は、犯行時、黒いワンボックスカーで現場を訪れ、犯行後も車で逃走。同乗者はいなかった。警察は会見で犯人逮捕の決め手を問われ、福岡県警察本部の橋本浩輔捜査第1課長が「防犯カメラ映像と県民市民から寄せられた百数十件のドライブレコーダー映像」と語った。さらに「まだ15歳の将来ある中学生を殺傷に巻き込んだのは許しがたい。卑劣極まりない。不眠不休で必ず捕まえる意気込みでやってきた」と犯人への強い憤りを滲ませた。
防犯カメラの‶リレー捜査″実る
警察は今回の容疑者逮捕を不審者リストからの絞り込みではなく、犯行後店を出た「黒いワンボックスカー」を防犯カメラのリレー捜査で追いかけ、他の場所で降車した容疑者の人着が防犯カメラや目撃証言と一緒だったので特定したという。警察が平原容疑者の監視を始めたのは12月17日。黒いワンボックスカーを容疑者のものと裏付けが取れたのは逮捕前日の18日のことだった。