今「仕事を掛け持ちしない」のはリスクでしかない 安定した収入があれば新しいことを始められる
実は私は、周囲の人が考えているよりずっとひま人なのです。 それはなぜか。逆説的なことをいうようですが、要するに最初から私は「時間が足りない」ことをやろうとしているからです。 たとえば、2時間しかないときに、普通にやれば2時間ずつかかる3つの事柄を抱えているとします。そのすべてを終えるため、私は、それぞれにベストな時間の割り振りをし、ときに手の抜き方を真剣に考えます。それでなんとかしているのです。
具体的にいえば、常に電話を取れる環境(場所)を探し、そこで電話を受けながら別の作業をする……などです。 私はこうしたことを繰り返してきたので、一般的に6時間かかるとされていることを2時間で片付けるくせができあがっています。となれば、残りの4時間はまったく関係ないことに費やせるわけで、どんどん世界が広がり、新たなビジネスチャンスも生まれるわけです。 ■大谷選手が二刀流をこなせる訳 ところが、たいていの人は「それぞれ2時間ずつかかる」というところを動かさずにスタートします。そして、「2時間+2時間+2時間=6時間かかる」と、相変わらず足し算をしています。
おそらく、1つのことだけをやっているときは、そこにあるムダは見えません。だから、いとも簡単に「これ以上なにかやる余裕はない」という結論に至ります。 でも、実は“隠れた時間”があって、それは「2つ以上のことをやろう」としたときに初めて発見できるのです。 大谷翔平選手が二刀流をこなせるのは、投手としてのトレーニングも打者としてのトレーニングもこなしているからです。しかし、彼だけ1日が48時間あるわけではありません。
大谷選手は、みんなと同じ24時間をどう使うか工夫を凝らし、自分なりの方法を生み出しているはずです。ところが、1つのことを一生懸命にやっているほかの選手には、それが見えていないのかもしれません。 人間の可能性は、多分にあふれているのです。
富永 雄輔 :進学塾VAMOS(バモス)代表