都心に住む20代に車回帰の流れアリ 古着感覚で人気の“ヤングタイマー”とは?
もちろん、これらはあくまでニッチな点の話で、都心の若者の多くが車を持つ時代が再びやってくるかというと、それは恐らくない。ただ、われわれファッション業界でも、例えば「フリークスストア(FREAK’S STORE)」が23年秋にTBCCとコラボレーションして製作したグッズを販売したり、TBCCのもとに香港のストリートブランドからコラボ依頼が届いたりするなど、東京の若者の新しいカーカルチャーにフォーカスする動きも出てきている。一つの消費の潮流として、注目しておくのがよさそうだ。
以下、自動車専門メディアに聞く“ヤングタイマー”ブーム
なぜ今、若者に“ヤングタイマー”が支持されるのか。自動車専門メディア「ウェブ オプション」の竹本雄樹編集長に一問一答形式で聞いた。
Q:“ヤングタイマー”はなぜ人気が高まっているのか。これは若者だけの話なのか。
A:ファッションや音楽と同様に、車でも1980~90年代に販売された旧車の人気が高まっており、それは特に若い世代に限った話ではない。個人的には、現行車がどれも時代要件を背負いながら周囲と戦うために肥大化し、価格も高騰。どこか表層的で、悪く言えば面白みのないデザインになってしまったことが背景にあると考えている。80~90年代の車はどれも荒削りで非常に挑戦的。遊び心や個性、“不完全さ”があった。それがZ世代には新鮮に映り、X世代以上にとっては「あのころ買えなかった車を今!」となっている。また、車種にもよるが、旧車は現行車よりも手頃で、個性も演出できる。そういった面も“ヤングタイマー”ブームにつながっている。
Q:コロナ禍の密を避ける生活様式が自動車購入を後押しした面もあるのか。
A:コロナ禍中にマイカー需要が一気に拡大したことは事実であり、ある埼玉の旧車専門店ではコロナ自粛期間の車両販売台数がコロナ前の1.5倍ペースだった。同様の話は他でもよく聞き、コロナ禍が車の購入に対し何かしらの起爆剤になった可能性は高い。