農水省が「みえるらべる」、農産物の環境負荷低減を見える化
記事のポイント①農水省は、農産物の環境負荷低減の取り組みが見えるラベルを発表した②3月に評価・表示ガイドラインを公表、ラベルの付与で取り組みを拡大へ③GHG削減や生物多様性保全の観点から栽培方法を評価する
農水省はこのほど、農産物の環境負荷低減の取り組みを可視化するラベル「みえるらべる」を発表した。3月に「農産物の環境負荷低減に関する評価・表示ガイドライン」を公表。今回のラベルの付与で取り組みの拡大を狙う。GHG削減や生物多様性の観点から栽培方法を評価しラベリングする。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)
ラベルの名称は「みえるらべる」。農水省の若手職員を中心に検討を行って決定した。農水省はこの名称について、消費者がこのラベルを「見て」、環境負荷低減に資する農産物を「選べる」ようにという願いを込めた、と説明する。 農産物の環境負荷低減の「見える化」は、2022年7月に施行したみどりの食料システム法のなかで国が講ずべき施策としてを位置づけられた。今回、評価・表示ガイドラインとラベルが揃ったことで、取り組みを拡大させていきたい考えだ。 対象品目は23品目で、GHG削減の評価は全品目、生物多様性保全の評価は米だけとなる。いずれも最高評価の3つ星から1つ星までで評価する。 GHG削減の評価は削減貢献率で測る。生産時のGHG排出量を試算して、地域の慣行栽培と比較して算出する。削減貢献率5%以上が1つ星、10%以上が2つ星、20%以上で3つ星となる。生物多様性保全の評価は、取り組みごとに点数を付与して、1点で1つ星、2点で2つ星、3点以上で3つ星となる。 ラベルを表示したい生産者は、農産物の温室効果ガス簡易算定シートに利用登録して栽培データ・情報を入力して、そのシートを農水省に送付する必要がある。受理後に登録番号が付与されて、ラベル表示が可能になる。 6月末時点で登録番号付与は209件、販売店舗などは358カ所となる。