【香水ベスコス】プロをうならせる、新たな名品香水に出合う
フレグランスをこよなく愛するSPURが、2024年上半期に登場した香水80種以上から、"今"を映す名香を導き出す。調香の妙や話題性、個人的な偏愛ポイントまで、さまざまな観点から香りのプロ20名がジャッジ。初アワードの結果はいかに――! 【写真】香水ベスコスの結果をもっと見る!
【ベスト・オブ・ベスト大賞】エルメス/〈エルメッセンス〉ウード・アルザン オー ド パルファム
「パリの街を想起させる繊細なウードが新しい!」by MAHOさん(フレグランスアドバイザー) アッサム産ウードと花びらを思わせるローズウォーター、ローズオキシドを一つに。 (100㎖)¥47,190/エルメスジャポン 「極上のウードが放つ野性味と、ローズの中でもあえてみずみずしいグリーンな香りを合わせて。エキゾチックになりすぎず、エレガントにまとめた調香が見事」(MAHOさん) 「深く静かな香木の響きに溶け合う、流麗なバラの調べ。完璧なデュオが奏でる、洗練のフレグランスです」(平さん) 「個性が強い素材を完璧なバランスでまとめた力量に脱帽。肌とまろやかに溶け合い、心地よくうっとり」(巽さん) 「軽やかなハニーとローズのフルーティさから、なめらかなレザー香への変化が美しい。定番のウードの組み合わせを、繊細で透明感あるエルメスならではのタッチで描いた一本」(山根さん) 「モダンな解釈が、さすがクリスティーヌ・ナジェル。ローズとウードの出合いを軽やかにこなした手腕に拍手」(編集G)
【ベスト・ニュース賞】メゾン・クリスチャン・ディオール/ニュールック(オードゥ パルファン)
「アルデヒドでパンチをきかせた大胆な発想に拍手!」by 小泉祐貴子さん(香りディレクター) フレッシュなアルデヒドとミステリアスなフランキンセンスの予期せぬ出合いがクチュールの精神を宿す。これぞ香りのニュールック。 (250㎖)¥55,880/パルファン・クリスチャン・ディオール 「個性的なアルデヒドにピンクペッパーが顔をのぞくスパイシーなトップから、ウッディなフランキンセンス、アンバリーなベースノートへ、見事な変化を遂げていく。一度嗅いだら忘れられない」(小泉さん) 「アルデヒドに樹脂香をきかせ、アンバーでまとめあげる。ニッチな香調も、ディオールの名のもとで、現代のスター調香師フランシス・クルジャンの手にかかると極めてモダンに」(中森さん) 「長年クルジャンのファンですが、新作も最高。伝統的なアンバーアコードと、人気再燃中のアルデヒドの組み合わせがキャッチーです。インパクトはあるけど肌なじみよく、デイリーにも」(横溝さん) 「独創的ながら、とがりすぎないバランスが秀逸。フレグランスの可能性を広げた名作です」(編集H) SOURCE:SPUR 2024年8月号「プロをうならせる、新たな名品香水に出合う SPUR初開催 ベスト・フレグランス・アワード」 photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Yuuka Maruyama 〈makiura office〉 edit: Teruno Taira