松下由樹「自分とのつき合い方がわかってきた」がむしゃらだった20代を経て50代で気づいた「心の声」
■心身の変化と向き合うなかで救われた言葉 ── 体調管理など気をつけていることはありますか? 松下さん:恵まれていることに大病は経験がないのですが、やっぱり年齢を経ると、女性ならではの苦労を感じないわけではないんです。 ただ、すごくラッキーなのは、自分の体調不良などを話せる人がまわりにいることです。気持ちのアップダウン、更年期といわれる時期の症状など、女性はいろんな心身の変化を経ていかなければいけないと思うんです。
30代から40代は、特に気負ってしまうことで緊張したり、頑張りすぎてしまったりしがちですよね。でも、外に吐き出すことでマイナスな影響を与える可能性も出てくるかもと思うと、やっぱり怖い。 そんなときに信用できる人、「私もそういう経験ある」って言ってくれる人とちょっとでも話せたりすると、気持ちがすごく紛れるのを感じます。それに、お互い支え合えたり、「いいよいいよ、休んでて」と声をかけあえたりもできる。私もそういう場面で救われたから、すごく大事なことなのかなと思います。
振り返ると、「頑張りすぎないで」といった言葉をマイナスに捉えてしまって、素直に受け取れなかった時期もあります。でもあるとき、自分の気持ちが楽になっていくのを感じて。 ── 自分のつらさを誰かに話せることは大事ですよね。 松下さん:心と体に大変な変化が起きている女性たちにとって、似た経験をすでにされている上の世代の方たちの「大丈夫よ」という言葉は、すごく励みになるというか。経験しているから言えることってあると思うんですよね。
■「自分とつき合う方法」がわかってきた ── 先輩方や身近な方からしてもらったことを、松下さんから下の世代の方たちに伝えることもありますか? 松下さん:そうですね。一緒に仕事をしていると、助け合っていかなければいけないときはあると思います。キャリアを積むだけじゃなくて、自分とも、身体の変化ともつき合わなければいけない。身体の変化って、辛さが伝わらないときは、周りからわがままだと捉えられることもあって…。でも、寄り添ってくれる人との時間があれば、きっと身体にいい影響がある気がするんです。