山田洋次監督が「東京家族」(2013年)での秘話明かす。撮入前、全スタッフとハンガリーの巨匠の名作見て結束
映画の山田洋次監督が1日、都内で行われた第37回東京国際映画祭「タル・べーラ監督 特別功労賞受賞記念 特別鼎談」に出席した。 タル・ベーラ監督はハンガリーの巨匠で映画の後進育成にも力を入れてきた。それらが評価されての受賞だが、出発直前に体調を崩し、ドクターストップが出て来日できず。主役抜きの授賞式、対談となった。 山田監督は新作の撮影に入る前、全スタッフとともに語り継がれるような名作を一緒に見て気持ちを高めるという。 「僕の映画とは遠いところにあるすぐれた作品を選ぶ。(ロシアの巨匠の)タルコフスキーとか。『東京家族』(2013年)のときに(ベーラ監督の引退作)『ニーチェの馬』(11年)を見て、こんな映画があることに皆、感動していた」。そしてベーラ監督の作品はカット数が極端に少ないことでも知られるが、実際にその数を聞き「想像できない(ほど少ない)」とびっくりしていた。 ベーラ監督とは今年2月に福島で会ったそうだが、「このときもゆっくり話はできなかった。今回会えたら、彼が教えた映画の学校のことなどいろいろ聞きたかった」と再会がかなわず残念そうだった。
報知新聞社