【解説】歴史的大接戦で投票へ 両候補、激戦州で最後の訴え 最新の情勢は?
「その激戦州の支持率ですが、最も差が開いているアリゾナ州でも2.8ポイント差。ペンシルベニア州は0.4ポイント差で、歴史的な大接戦となっています」 斎藤佑樹キャスター 「最後まで大接戦が続く中、ふたりはどういう戦略だったのでしょうか?」 山崎支局長 「選挙戦のラスト3日間、両候補がどの州を訪れたかをみると、両候補の狙いが透けて見えます」
山崎支局長 「まずハリス氏ですが、4日の最終日はペンシルベニア州だけに費やしました。激戦州で最多の選挙人19人を抱える最重要州のペンシルベニアには、40万人以上のプエルトリコ系住民がいます」 「トランプ氏の集会でコメディアンが『プエルトリコはゴミの島』と発言したことを受け、ハリス氏は、この日、プエルトリコレストランを訪問したり、最後の集会にはプエルトリコ出身の有名歌手リッキー・マーティンさんを動員するなど、徹底的に取り込みを図りました」 「一方のトランプ氏の動きを見ると、当然、ペンシルベニア州もテコ入れを図っていますが、特に力を入れているのが、3日連続で訪問したノースカロライナ州です」 「7つの激戦州のうち、トランプ氏が4年前の大統領選でバイデン氏に勝ったのは、このノースカロライナ州だけで、トランプ氏にとっては絶対に落とせない州なんです」 「3日間連続で訪れたことについてアメリカメディアは『トランプ陣営が、ここの勝利に不安を抱いている』ことのあらわれだと指摘しています」 鈴江キャスター 「7つの激戦州以外は、勝負は決まっていると考えていいのでしょうか?」
山崎支局長 「通常ならそうなのですが、最終盤に来て、激戦州ではないアイオワ州の世論調査が、両陣営に衝撃を与えました」 「アイオワ州では過去2回、トランプ氏が勝利していて今回も優勢とみられていたのですが、地元紙の世論調査でハリス氏がトランプ氏を3ポイント上回ったんです」 「地元紙は無党派層からの女性の支持が要因だと分析していて、民主党関係者からは他の州でも、同じ傾向が出るのではないかと期待感も出ています。最終盤に入り、トランプ氏に勢いがありハリス氏が失速したとみられていましたが、この世論調査をきっかけに、ハリス氏が最後に少し盛り返してきたという見方も出ています」 「アメリカに初の女性大統領が誕生するのか。それとも、トランプ氏が再び返り咲くのか。投票は日本時間の5日夜、始まります」 (11月5日午後5時ごろ放送『news every.』より)