“七夕決戦”へ…東京都知事選スタート 街頭演説で訴え 候補者それぞれの戦略【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN
東京都知事選挙が20日に告示され、17日間の選挙戦がスタートしました。過去最多の56人が立候補し、告示後、初の週末を迎えた都知事選。バンキシャ!は、候補者たちに密着取材。それぞれの戦略や思惑が見えてきました。(真相報道バンキシャ!) ◇ 選挙戦初日の20日、バンキシャ!が取材をしていると──。 バンキシャ! 「小池百合子都知事の選挙カーが、赤羽駅前にやってきました」 あっという間に人が集まる。現職の都知事、知名度は抜群だ。しかし、小池氏の姿は見当たらない。 選挙戦2日目の21日、再び選挙カーを発見した。聞こえてきたのは、「本日も小池百合子東京都知事は、公務のためにこの車に乗ることができませんでした」というアナウンス。“公務優先”を掲げる小池氏。実は告示から2日、1度も街頭演説を行わなかった。 ところが、選挙戦3日目の22日、小池氏は都庁から300キロ近く離れた八丈島へ。ついに街頭演説を行うという。 バンキシャ! 「小池都知事がいらっしゃいました」 小池氏がまず触れ合うのは有権者ではなく、「ユリコ」という名前の乳牛だ。「百合子がユリコに。これは公選法違反にはならないですよね?」「おお、すごいぞあんた。ゆりちゃん、やるね」と乳牛に話しかけた。 島の別の場所では──。 バンキシャ! 「目の前に海が広がる中、スーツ姿の警察官が大勢立っています。ものものしい警備です」 小池氏を迎える準備が進められていた。島民が続々と集まってくる。そして、選挙戦スタートから3日目にして、初めて小池氏が街頭に立った。 東京都知事・小池百合子氏(71) 「私はいつも選挙の時には早々に八丈島にお伺いするようにしています。東京都知事として、お作法だと思っています」 「1つ1つの島をカスタムメイドで、これからももっとよくしていきたいと思いますが、ご期待いただけるでしょうか」 さらに、23日、東京・奥多摩駅前に到着した小池氏。八丈島の次に選んだ地は、多摩地域にある奥多摩町。 東京都知事・小池百合子氏(71) 「この奥多摩を、さらに持続可能な成長を続ける、そんな町にしていきたい」 バンキシャ!が話を聞いたのは、その場にいた奥多摩町の自民党議員。 ──みなさんもお手伝いというか支援を? 自民党・奥多摩町議 「それは都連の方から言われてません。あまり余計なことをやると」 ──水面下で支援している? 自民党 奥多摩町議 「そうですね」 「『小池さんお願いします』と道路で(町民と)会えばね」 東京選出の自民党の国会議員は、「小池氏を表立って応援はできない。『ステルス作戦』だ」と話す。政党色を薄める狙いだ。 ◇ 対する前参議院議員の蓮舫氏が23日、東京・錦糸町駅前に姿を見せた。 前参院議員・蓮舫氏(56) 「どうか支えていただけないでしょうか」 初日からここまで、積極的な選挙戦を繰り広げている。 20日、蓮舫氏は「自民党政治は、いったん終わらせなければいけない。表なのか裏なのか、水面下なのかわかりませんけれども、自民党が応援している人には絶対勝ちたいと思っています」と話した。 打倒・小池氏へ──。バックアップ体制も充実していた。21日、東京・八王子駅前では、蓮舫氏の演説が始まるのを前に行われていたのは、ビラ配りだ。バンキシャ!が話を聞いてみると…。 共産党・八王子市議 「私は市議会議員の八王子のものです」 ──どちらの党? 共産党・八王子市議 「共産党です」 立憲民主党・日野市議 「立憲民主党です」 共産党・八王子市議 「共産党です。今回は党派をこえて野党でね。みんなで」 今回の選挙で蓮舫氏を支援する、立憲民主党と共産党の所属議員が駆けつけていた。その街頭演説を取材すると、蓮舫氏の戦略が見えてきた。 前参院議員・蓮舫氏(56) 「シニアの将来を守ってくれる職場で働く若い人たち、働きたいという若い人たちの奨学金を東京都が返済を支援したい」 「若い人たちの待遇を思いっきり改善していくことこそが、長い目で見た少子化対策だと確信しています」 バンキシャ! 「蓮舫さんから“若い人”という言葉、連呼されています」 若い世代からの支持を“追い風”にしたい蓮舫氏。その戦略は、ビラを配るスタッフにも伝わっていた。 バンキシャ! 「若い人たちに配ってますね」 制服姿の若者にぴったりと寄り添った女性スタッフは「(若者が)18歳だって」と話し、男性スタッフは若者に「もっと近く、行っていいよ。降りてくる時ここ通るから。近くにいたらいいと思う」と話しかけていた。 “若い世代からの支持獲得”へ。さらなる一手は、21日のSNSでのライブ配信。 「これもう見えてるのかしら」「こんばんは。見えてます?蓮舫だよ~」「こんな瞬時にたくさんの人とつながれるんだ。『がんばってください』うれしい。『蓮舫さんの声大好きです』うれしい!」と話した蓮舫氏。およそ30分にわたり、“親しみやすさ”をアピールした。 ◇ さらにバンキシャが見た、ほかの候補者たちの“戦略”とは──。 22日、人だかりができていた東京・有楽町駅前。そこへ、広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏。すると──。 バンキシャ! 「いろんなスタッフが撮影しています。この人もだ」 何台ものカメラがその姿を追う。 広島県安芸高田市前市長・石丸伸二氏(41) 「東京都知事になった暁には、なんとしても100億円確保し、教育分野に投資する。きょうお約束します」 声を張りあげるその瞬間も、SNS用の写真や動画を撮る石丸氏の“撮影部隊”。演説後は周辺を練り歩き、支持を訴える石丸氏。その間も撮影は続いた。 広島県安芸高田市前市長・石丸伸二氏(41) 「今の時代なので、SNS(の活用)はもちろんですね」 ──特に訴えたい、取り込みたい層は? 広島県安芸高田市前市長・石丸伸二氏(41) 「全部です。欲張りなんで。若い人から高齢者まで全員を選挙に巻き込みたい」 ◇ 同じ日の22日、東京・池袋駅前には元航空幕僚長の田母神俊雄氏の姿があった。日差しが照りつける中、スーツにネクタイという装い。応援に駆けつけたのは、タレントのデヴィ夫人だ。 デヴィ夫人 「日本人の誇り、自信を持たせてくれるのは、田母神さんしかいない。それは東京からです」 元航空幕僚長・田母神俊雄氏(75) 「教科書は日本人が自信と誇りを持てるものに直さないといけない」 「教育を正常化して、自信と誇りを持った日本人を育てることを頑張っていく」 “保守の受け皿”を目指す、田母神氏。保守層を意識した教育政策などを訴えている。演説のあとは、「バイデン大統領よりはずっと若い。75歳です!」と話し、池袋の通りを足早に進む。手を振り、支持を訴えた。 ◇ あわせて56人が立候補している東京都知事選。次の“東京のリーダー”は誰になるのか。7月7日の投開票日まで戦いは続く──。 (6月23日放送『真相報道バンキシャ!』より)