2024年「今年の漢字」県政混乱の兵庫『選』、被災地・石川『災』全国では5回目『金』“光と影”
公益財団法人・日本漢字能力検定協会(漢検/本部・京都市東山区)が毎年 、1年の世相を表す漢字一文字を全国から募集し、毎年年末に「今年の漢字®」として発表している。 【画像】「今年の漢字」2024年『金』にまつわるあれこれあ 2024年は総応募数22万1971票中、1万2148票(5.47%)を集めた「金」が第1位に選ばれた。 「金」が選ばれたのは5回目。 漢検・普及企画部の福貴久さんはその理由について、パリオリンピック・パラリンピックの日本人選手や大谷翔平選手などの活躍による“光”の『金(キン)』と、政治の裏金問題、闇バイトによる強盗事件 など“影”の『金(かね)』が着目されたと話す。 今回は都道府県別に応募数を集計した。元日に能登半島地震に見舞われた石川県と、 日向灘沖で最大震度6弱の地震が発生し 南海トラフ巨大地震・臨時情報が出された宮崎県の第1位が「災」、斎藤元彦知事のパワーハラスメントなど7つの疑惑が告発され、県政が大きく揺れた兵庫県の第1位が「選」などと、地域によって応募数の多 い漢字が異なることがわかったという。 特に兵庫県知事選挙では、 情報の選択のあり方も問われた。 兵庫では選、金、震、災(阪神・淡路大震災30年を目前にして)、翔と続いた。「選」は全国でも6位となっている。 ■「災」を選んだ理由 「元日の能登半島地震、南海トラフが来るのではないかと言われた日向灘沖地震、死者も出た台風10号など、たくさんの災害が起きたから」(宮崎県・10代) 「年始の能登地震に豪雨による床上浸水など能登の災害で始まり終わろうとしているから」(石川県・60代) ■「選」を選んだ理由 「今年は選挙ニュースが目立ったため。選挙関連や闇バイト関連でSNSを中心に正しい情報やデマが出回り、 ユーザー側の私たちが正しい情報を選ぶ必要性も感じたため」(兵庫県・20代) 「衆院選、大統領選、東京都知事選、兵庫県知事選、と話題の選挙が多く、分断をめぐり情報をどこから選ぶかが話題となったから」(兵庫県・80代) 「今年の漢字(R)」は、漢字の普及・啓発を目的に1995年に始まった(この年1月に阪神・淡路大震災が発生、第1位は「震」)。漢字の奥深さや意義を感じてもらいたいという思いで、30回目を迎えた。 福さんは、「日本にとって2024年のビッグニュースは、やはり大谷翔平選手の活躍だったと思う。しかし、ひとつの事象だけだと、世相を表す“今年の漢字”には選ばれにくい」とみている。 『金(キン・かね)』という複数の事象が集約され、ひとつの文字として示されたのが今年の特徴。「これは、漢字が表意文字であり、文字を見た瞬間に意味がわかることや、ひとつの文字の多義性が遡及できた」と話した。 ・・・・・・・ 京都・祇園の漢字ミュージアムで開かれている「今年の漢字展」(~2025年2月24日 入館料が必要)。清水寺で森清範貫主がこれまでに揮毫(きごう)した大書、30年分の現物が展示されている。 ■休館日月曜日(休館日が祝日の場合、翌平日に振り替え) ■開館時間9:30~17:00(最終入館16:30) ※休館日・開館時間は12月以降変則的です。漢字ミュージアムWEBサイトで確認を
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