錦織のベスト4入りを阻止したマレーの25秒タイムバイオレーション
錦織は、第2セットをマレーに取られたあと、第3セットはタイブレークに持ち込む粘りを見せたもののマレーに7連続ポイントを取られてセットを持っていかれ、第4セットでは第1ゲームをブレークした流れを作れず、その後のゲームを連続で落として、4強への夢を閉ざされた。第3セットを落とした時には、タイブレークで1ポイントも取れなかった自らへの怒りか、ラケットを投げつけた。 試合後、マレーは「スタートで、もっといいペースでショットできれば良かった。彼(錦織)は第1セットですべてのポイントをものにしようとして、私をすごく動かせた」と第1セットで自らを揺さぶってくる錦織の前にリズムを掴めなかったことを認め、「今日は少し風も強くてタイミングが取りにくかった。でもリズムを掴んでからは彼(錦織)をベースラインから離すことができた。それが大きかった」と勝因を話した。 この試合に勝っていれば、日本男子としては、1933年の佐藤次郎(故人)以来84年ぶりの全仏4強入りという快挙だったが、世界1位の前にその夢は閉ざされた。 「(第3セットは)一番悔いが残る。ダブルフォールトやもったいないミスが出てしまった」と錦織は肩を落とした。それでも手首痛など体調が決してベストでない状態で迎えた全仏でのベスト8での健闘は、次の全英オープンに向けての自信につながったことは間違いないだろう。