決勝でリベンジなるか…5発逆転勝利の瀬戸内が県内三冠に王手!! 敗れた沼田も「今年のベストゲーム」:広島
[11.3 高校選手権広島県予選準決勝 瀬戸内高 5-2 沼田高 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 第103回全国高校サッカー選手権広島県予選準決勝が11月3日に行われ、第1試合では瀬戸内高と沼田高が対戦。瀬戸内が5-2で勝ち、10日に行われる決勝へと勝ち上がった。 試合は立ち上がりから大きく動いた。前半3分(40分ハーフ)、沼田は左サイドでパスを受けたFW廣川秀翔(3年)がドリブルで守備網を突破すると、右足でファーサイドに決めて先制点を奪った。 だが瀬戸内も8分、左サイドを突破したFW片岡優(2年)のセンタリングを、中央で待っていたFW上岡士恩(3年)が右足で合わせ、すぐさま同点。16分にも片岡の突破からのシュートがこぼれたところをMF澤原聖七(2年)が押し込み、あっという間に逆転に成功した。 その後は沼田も良い形を作り、17分にMF安井智哉(2年)、20分にFW河野修斗(2年)が惜しいシュートを放つも決まらず。瀬戸内も35分にCKからDF松本大輝(3年)がヘッドで狙ったが右ポストに当たり、追加点を奪えなかった。 だが2-1で折り返した後半6分、瀬戸内はゴール前中央でDF白水陽(3年)が右足シュート、相手選手に当たったボールがGKの頭上を越えて決まり、リードを広げる。10分には左サイドから切れ込んだMF山本寛大(3年)が右足でファーサイドに突き刺して3点差とした。 だが沼田は大量リードを奪われてもあきらめず、粘り強くパスをつないで敵陣を目指し、33分にはMF矢野叶真(3年)の左からのセンタリングを、河野が決めて再び2点差に詰め寄る。それでも瀬戸内は37分、右サイドで片岡のパスを受けた上岡が、右足でニアサイドを破って5点目を奪い、勝負を決めた。 2021年からの4年間で3回目のベスト4進出となった沼田は、懸命に追いすがったものの及ばず。過去2回はどちらも0-3で敗れており、桂大晴監督は「点を取れたことはよかったですが、失点が重なったのは痛かった」と振り返った。 それでも桂監督は「もっと押し込まれるかと思っていましたが、相手を見ながらポジションを取り、ビビらずやっていた。今年のベストゲームをしたと思います」と評価した。途中出場の選手を含めて2年生7人がピッチに立ち、本来は先発メンバーだが負傷欠場した2年生もおり、桂監督は「頑張らせれば、また面白いチームを作れると思う」と新チームでの巻き返しを期していた。 瀬戸内は立ち上がりに思わぬ失点があり、田中健二郎監督はハーフタイムに「試合の入りが悪く、今季最悪の試合だと言った」という。すぐに反撃して5得点を奪った攻撃の出来を評価しつつ、「もっと一生懸命に守備をしなければいけない。来週しっかりやらせます」と決勝への課題を挙げた。 その決勝はサンフレッチェ広島のホームスタジアム、エディオンピースウイング広島で初めて開催される。田中監督は「名誉なこと。(同所での決勝開催が)決まってから選手たちは、あのピッチに立つことを目標にやってきた」と語り、新人戦、インターハイ(全国高校総体)予選に続く今年の県内3冠も懸かるが、もちろん決勝に進むだけが目標ではない。 昨年度は予選決勝で広島国際学院高に0-1で敗戦。昨年度のインターハイ予選も決勝でPK戦の末に敗れており、広島国際学院と激突する決勝はリベンジの舞台にもなる。3年ぶり3回目の出場に向けて、田中監督は「昨年のリベンジで、すべてが最高の舞台。1週間しっかり調整して頑張りたい」と意気込んでいた。 (取材・文 石倉利英)