想定内だった森保Jアジア杯初戦の苦戦…隠された狙いと残った問題点
もうひとつ気になったのは、あの酷暑の中で、森保一監督が選手交代をひとりしか行わなかったことである。 日本とトルクメニスタンの試合が行われるまで今大会は9試合を消化していたが、交代枠を使い切らなかったのは、日本だけなのだ。 負傷明けの大迫勇也をフル出場させたことについて問われた森保監督は「代えないといけない理由はないと思いますし、コンディションの部分で別メニューの調整をしていて、もう少し展開に余裕があれば代えていたと思います」と答えている。 つまり、3-1のままだったり、4-1とリードを広げたりしていれば、大迫を下げていたということだ。 1点差に詰め寄られたことで、大迫に限らず、交代しにくくなってしまったのだろう。この誤算が、のちのちに響かなければいいのだが……。 いずれにしても、パスやトラップの精度を欠いたり、攻守において動きが重かったりした大きな要因は、万全ではないコンディションにあった。気候と環境に慣れるこの先、チームの調子も上がっていくに違いない。 初戦の苦戦によって改めて気持ちも引き締まったはずで、13日のオマーン戦では、トルクメニスタン戦のような失態を見せることはないはずだ。あとは、選手交代でふたりを早く休ませ、サブのふたりにプレー経験を与えられなかったことをリカバーするため、指揮官にはスタメンの入れ替えなど、効果的な采配を期待したい。 (文責・飯尾篤史/スポーツライター)