【小栗基裕×海路】“ダンスの偉人”と“舞台の異彩”が共鳴した理由
ダンサー史上初の日本武道館ライブは通過点に過ぎず、今年も多方面で活躍しているs**t kingzの4人。ソロパフォーマンスで即興ダンスに力を入れてきたOguri=小栗基裕は、磨き上げた表現力と瞬発力をソロ活動でも発揮している。4月26日に開幕する主演舞台『空夢』は、10代の頃から才能を高く評価されてきた脚本・演出家の海路(みろ)が手掛ける作品だ。 【写真を見る】s**t kingzとして活躍しながらも、俳優として舞台で主演を務めるOguri=小栗基裕 年齢は一回り違えど、物腰が柔らかいことが2人の共通点。創作活動の話になると、言葉の節々に隠しきれない情熱が漏れてしまう部分も似ている。お互いの作品に感銘を受けてつながった小栗と海路が、一緒に作り上げる舞台作品で表現したいこととは? 稽古が始まる前に実現した対談を2回にわけてお届けする。
出会いは劇団 papercraftの『人二人』
――普段はダンスをメインに活動する小栗さんと、脚本・演出家として劇団papercraftを主宰する海路さん。今回の舞台で小栗さんが主演を務めることが決まる前から交流があったのでしょうか? 小栗 初対面は去年の6月。事務所のマネージャーさんにオススメしてもらったことがきっかけで、海路さんが手掛ける劇団 papercraftの『人二人』という公演を観に行かせてもらったんです。 海路 そうでしたね。その後、僕がアミューズに所属してs**t kingzさんの同門になり、今は同じマネージャーさんにお世話になっております(笑)。 小栗 僕は何も情報を知らない状態で『人二人』の会場である横浜の赤レンガ倉庫に行って、ドキドキしながら鑑賞したのですが、見事に感銘を受けました。主人公の目の前に“もう1人の私”が現れて、2人で1人の人間として社会から認識される物語なのですが、作品の質感や空気感が「好きだ」と思って。 海路 ありがとうございます。 小栗 上手く言えないんですけど、登場人物の会話は日常を切り取ったような感じで自然だし、人間らしい温もりも感じるんだけど、どんどん様子がおかしくなっていくんですよ。「こんな世界は見たことがないのに、妙にリアルだぞ……」という独特のズレが面白くて、すごく印象に残った作品でした。