鉱工業生産は2カ月連続マイナス-ダイハツ問題で自動車低調続く
(ブルームバーグ): 2月の鉱工業生産指数は前月比で2カ月連続で低下した。大手メーカーの認証不正問題に伴う工場稼働停止の影響で1月に大きく落ち込んだ自動車の低調が続き、全体を押し下げた。
経済産業省の29日の発表によると、生産指数は前月比0.1%低下と、市場予想(1.3%上昇)に反してマイナスとなった。前月は6.7%低下と2020年5月以来の大幅な落ち込みだった。基調判断は「一進一退ながら弱含んでいる」に据え置かれた。
全15業種のうち自動車や生産用機械など7業種が低下した。自動車は7.9%低下で、1月は15.9%低下だった。一方、化学(除く無機・有機化学・医薬品)やパルプ・紙・紙加工品など8業種は上昇した。
トヨタグループでは、ダイハツ工業が昨年12月に認証試験の不正発覚に伴い生産・出荷を停止したのに続き、豊田自動織機でも1月にエンジンの認証不正が発覚。一部の工場では稼働が再開されたものの、自動車の生産停滞は引き続き景気の下押し圧力となりそうだ。今回の結果を受けて、日本経済が1-3月にマイナス成長に陥るとの見方が強まる可能性がある。
野村証券の岡崎康平シニアエコノミストは、自動車は裾野が広いので他産業にも影響が出た可能性があり、「生産停滞は1-3月のGDP(国内総生産)の下押し要因となるだろう」と指摘。ただ、需要面の弱さではなく供給面の一時的な問題であるとし、「生産は先々回復してくるだろう」との見方を示した。
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Keiko Ujikane