西山朋佳女流三冠、“プロ入り”王手なるか!?最強試験官・上野裕寿四段との注目の第3局始まる/将棋・棋士編入試験
将棋の西山朋佳女流三冠(白玲、女王、女流王将、29)が挑む棋士編入試験第3局は11月8日、午前10時から上野裕寿四段(21)との対局を開始した。試験は、若手棋士5人と対戦する五番勝負。3勝を挙げれば合格となり、史上初の“女性の棋士”が誕生することになる。西山女流三冠のこれまでの試験成績は1勝1敗。強敵を破り編入に“王手”をかけるか、大きな注目が集まっている。本局の先手は上野四段。 【映像】西山女流三冠 注目の編入試験第3局 西山女流三冠は、2010年に奨励会入会。2015年に福間香奈女流五冠に続き、女性として2人目となる三段に昇段した。第66回(2019年度後期)三段リーグでは14勝4敗の成績で次点を得たものの、2021年に奨励会退会を決断し女流棋士へ転向。これまでの女流タイトル獲得数は18期を数える。今年7月4日に公式戦で13勝7敗と規定の成績に達し、同受験資格を得た。力強い攻めが持ち味で「剛腕」とも称されている。 本局で試験官を務める上野四段は、関西の名門・井上慶太九段門下で2023年10月に四段昇段。三段時に勝ち進んでいた第54期新人王戦決勝三番勝負を制し、プロ入り31日目の最速・プロ入り後3局目の最短で棋戦初優勝の記録を打ち立てた。鮮烈なデビューから各棋戦でも頭角を現し、本年度の第14期加古川青流戦も制した。棋戦優勝2回の実績面からも、西山女流三冠にとっては最大の試練と言っても過言ではない強敵だ。 9月10日に第1局は、高橋佑二郎四段(25)を相手に後手番で得意の三間飛車を採用。“剛腕”の異名のままに相手の穴熊を目掛けて大駒を放つ強手でペースを握ったが、終盤戦は緊張感あふれるギリギリの攻防戦に。白熱の終盤戦の末、西山女流三冠が高橋四段の粘りを振り切って白星スタートを切った。 続く第2局は、山川泰熙四段(26)が試験官に。西山女流三冠の中飛車に対し山川四段が居飛車で急戦を志向すると、先手から積極的に仕掛けて早々に戦いへ突入した。山川四段は一歩も譲らぬとばかりに相手の力を封じる展開に持ち込むと、西山女流三冠も勝負手で食いついたが形勢逆転には至らず。相手の丁寧な指し手に押し切られ、西山女流三冠が投了し手痛い黒星を喫した。 西山女流三冠と上野四段の対戦は2019年度後期の三段リーグ5回戦の一局で、西山女流三冠が勝利を飾っている。公式戦での対戦はなく、本局は約5年ぶりの対戦となる。ともに棋士・女流棋士として実績を残し勢いに乗る両者は、本局でどのような熱戦を繰り広げるのか。勝敗とともに内容にも大きな期待と注目が集まっている。 持ち時間は各3時間、本局の先手は上野四段。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部