大谷翔平「24打席アーチなし」の深刻な状況…。夢の「50-50」にも黄信号か
“引っ張る意識”が見え隠れしつつある
その後の大谷の打撃を見る限り、これまで以上に本塁打への意識が出ている感が否めない。 本来の大谷の持ち味は、強引に引っ張らずともセンターから左方向へ楽々と柵越えを連発できるパワーだ。時には高めのボール球を強振してスタンド上段に突き刺すこともあれば、低めの変化球に泳がされながら右手一本で打球をスタンドに運ぶことも――。 160km/hを超える剛速球でも、鋭く落ちる変化球でも、バットの芯を大きく外しさえしなければ、自らの力で歩いてホームに返ることができる。それが打者・大谷の最大の強みである。 ところが、そんな大谷もここ数試合で引っ張る意識が見え隠れ。44号を放った次打席以降の結果を羅列すると、以下の通り。 中犠飛、一ゴロ、二ゴロ、見三振、右直、空三振、空三振、三邪飛、見三振、右安、二ゴロ、四球、右安、四球、見三振、一ゴロ、右三塁打、見三振、空三振、敬遠、三飛、中飛、空三振、三飛。 三振の多さは平常運転だが、やはり右方向への凡打が目立っている。
10日ぶりのオフで復調なるか
3盗塁を決めた2日の試合後、大谷は「残り何試合あるかもわかっていないが、1試合でも多く健康な状態で出られれば、(50-50達成の)チャンスがあると思う」と前向きなコメントを残した。大谷自身も「50-50」達成への意識は相当高い表れだろう。 残り22試合で、「6本塁打&4盗塁」としている大谷。本塁打量産へ、大谷はいつスランプを脱し、いつギアを入れ直すのか。 ドジャースと大谷にとって5日は10日ぶりのオフ日となった。5月下旬からチームの全試合に出場している大谷にとって、緩んだネジを締め直す絶好のタイミングとなるかもしれない。 移動日を挟み、6日からは本拠地ドジャー・スタジアムでガーディアンズとの3連戦。ワールドシリーズで対戦する可能性があるア・リーグの強豪チームだけに、大谷としても相手投手にしっかりダメージを残しておきたいところだ。 文/八木遊(やぎ・ゆう) 【八木遊】 1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。
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