中国格安サイト「Temu」のPDD、株価急落-収益性悪化の見通し嫌気
(ブルームバーグ): 中国ネット通販企業PDDホールディングスの米国預託証券(ADR)が、21日の米株式市場で大幅安。中国国内での競争激化を理由に、収益性が徐々に低下傾向をたどるとの見通しを示したことが嫌気された。
PDDは売上高と利益の伸びがこの先鈍化するという見通しを8月に示し、今回その予想を据え置いた。同社ADRは一時10%下落した。
同社が21日に発表した7-9月(第3四半期)の売上高と利益は、いずれも市場予想を下回った。これを受けて、中国の景気減速が同国大手テクノロジー企業に予想以上の打撃を与えているとの懸念が強まった。
第3四半期の売上高は994億元(約2兆1200億円)。アナリスト予想平均は1028億元。純利益は250億元。市場予想は266億元だった。
PDDは格安商品を扱う越境電子商取引サイト「Temu(テム)」が好調なものの、中国国内では消費の鈍さに苦戦している。同社は8月、中国経済の減速について予想外に強い警告を発していた。
趙佳臻共同最高経営責任者(CEO)は21日にアナリストとの電話会見で「当面、競合他社に対して不利な状況が続くため、財務への影響がより大きくなるだろう」と発言。「当社スタッフは過去の経験による制約を受け、一定の能力を欠いている」と述べた。
急成長しているTemuについては監視の目も厳しくなっている。欧州連合(EU)は、違法商品販売の抑制に向けた取り組みが十分かどうか正式な調査を開始した。
米国のトランプ次期政権が掲げる関税引き上げも、Temuの越境取引に悪影響を及ぼす可能性がある。
原題:Temu-Owner PDD’s Shares Dive After Warning of Worsening Profit(抜粋)
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