チャウヌ、超満員のKアリーナ横浜でのアンコール公演レポート「今日のすべての瞬間を頭と目に刻みつけます!」
韓国のボーイズグループ・ASTROのメンバーで、俳優としても活躍しているチャウヌの単独ファンコンサート「CHA EUN-WOO 2024 Just One 10 Minute [Mystery Elevator] Encore in Japan」が、神奈川・Kアリーナ横浜にて6月29日と30日の2日に渡り開催され、2日目となる30日の公演をレポートする。 【写真】モノクロでチャウヌのカッコよさが際立つアンコール公演キービジュアル ■ファンコンサートのアンコール公演 この公演は、韓国を皮切りにタイやシンガポール、フィリピンなどを回ったアジアツアーのアンコール公演。日本では、3月に埼玉・ベルーナドームにて2日間開催され、その盛況を受けて、今回の再演が実現した。 タイトルの「Just One 10 Minute」には、「たった10分あれば、ウヌの魅力にハマってしまう」という意味が込められており、[Mystery Elevator]は、ファンが望む場所ならどこへでも行ける装置。これに乗ってファンは異なる空間に移動し、この[Mystery Elevator]の“設計者”であり“案内人”であるチャウヌの様々な魅力に出会う事ができる、というコンセプトなのだ。 ■「今日の全ての瞬間、みなさんの表情を、ボクの頭と目に刻みます!」 オープニングのVTRの後、ステージの大きなLEDが中央から左右に分かれると、上下ブラックの衣装に身を包んだチャウヌが登場。2月に発売された1stミニアルバム「ENTITY」のタイトル曲「STAY」をロックバージョンで披露し、続けてダンサーと共に、同じく「ENTITY」から「Fu*king great time」を。官能的な雰囲気のラブソングをシャツをめくって6packをチラ見せしながら歌う彼に、客席から何度もため息が漏れる。 オープニングからフルスロットルでパフォーマンスした彼は、歌が終わるとステージに仰向けに転がって、観客の鳴りやまない拍手と声援を聴きながらエナジーチャージ。そして起き上がった後、「こんばんはー、AROHA(ファンの名称)!チャウヌです!」と力強く挨拶。「今日も雰囲気がいいですね」と言いつつも、声援がまだ少し足りない、と客席を煽るウヌ。それに応えて、AROHAたちはありったけの大きな声で叫び、彼は「とてもいいですね」と満足そうな笑顔を見せた。 「今日が日本公演の最後」と残念がるウヌは、「今日の全ての瞬間―皆さんの顔、表情、歓声を、ボクの頭と目に刻んでいきます」と言い、「ボクがみんなをちゃんと見てるから、盛り上がって声を上げて、楽しい時間を過ごしていただきたいです」と、観客に伝えた。 そして、「ちょっと強く見せたくて、唇にピアスをしてみた」と、LEDにピアスをした唇が映されると、会場からは「ワァー!」と大きなリアクションが。彼は「どうですか?強く見えますか?」と尋ねて笑った。 そんな楽しい雰囲気の中、「U&I」へ。花びらが舞う夜景の映像をバックに、甘い歌声で「キミと2人きりで、とりとめのない話を朝までして幸せだった」とソフトに歌い上げるウヌに、会場はウットリ。サビでは「みんなもー!」と彼が呼びかけ、韓国語の歌詞にもかかわらず、観客の大きな歌声が響き、会場は幸せな空気に包まれた。 ■ウヌと共にお祭りを体験!? ここで最初のコーナー「ウヌ祭り 2024F」に。再び登場したウヌはスパンコールのブルゾン姿で、さっきまでのシックなイメージから一転。[Mystery Elevator]で到着した2024階は、“ウヌ祭り”の会場。何故この階に来たのか尋ねられた彼は、「日本では7月から各地でお祭りが始まると聞きました。ボクはお祭りに行った事が無いので、皆さんと一緒に行けたら…と思いました」と、語ってくれた。 ■3年ぶりに「オットッケソング」を披露 最初に出てきたのは、“千本つり(千本引き)”の屋台。たくさんの紐から1本を選んで引き、その先に景品が結ばれていれば“当たり”なのだが、紐が複雑に絡み合ってる為、どれが景品に繋がっているのかは一見しただけではわからない仕組みになっている。今回は、紐の先にファンからの願いが結ばれていて、彼が引いた願いを叶えてくれる、という趣向だ。 最初に引いた願いに、「『オットッケソング』を歌ってほしい」と書かれているのを見た途端、ウヌは赤面。これは、韓国で数年前から流行っている「キミがカワイすぎて、どうしよう…」といった内容の、K-POPファンにはおなじみの歌で、歌い方も振付もとにかくカワイさ全開でやるのがポイント。彼は「ファンのみんなが望むなら」と、3年ぶりに決死の覚悟でやりきり、会場は「カワイイーッ!!」と大歓喜。だが、彼は恥ずかしさで後ろを向いてしまい、なかなか前を向く事が出来なかった。そんな姿が、さらにファンの“キュン度”を駆り立てた。 他の願いに応じて、「おやすみー。いい夢見てね」と甘く囁いたり、野球部出身の彼がホームランを打ったと仮定して、観客が前から後ろ、そして2階、3階とウェーブを繋いで、「ホームランセレモニー」をしたり…。 ■ASTROの楽曲でランダムダンスにも挑戦 そして、最後に引いたお願いは、「ASTROの曲でランダムダンスをしてほしい」。会場から大きな歓声が上がった。彼は「全部忘れちゃってるかも…」と呟き、もしできなかったのがメンバーに伝わると、グループのトークルームで「全然覚えてないじゃん!」などと責められる…と及び腰だったが、「でも、挑戦します!」と日本語で宣言。会場から大きな拍手が湧き起こった。 「Baby」と「Blue Flame」のサビの部分が流れ、どちらも何とか思い出そうとするがほぼ棒立ちのウヌ…。会場からは「ファイティーン!」と声がかかる。そして徐々に記憶が蘇ってきたようで「もう1回『Baby』から!」と再挑戦。すると、今度はほぼ成功。気を良くしてノッてきた彼は、「次!次!」と曲をせがんで「Blue Flame」にも再トライ。だがこちらは「コレ、ホントに思い出せない…」とお手上げ状態だった…。 しかし、充分楽しんだようで「みなさんと実際にお祭りに行った気分になれました」と、笑顔で“2024階”を後にした。 ■ASTROメドレーで一気にヒートアップ 続くVTRでは、白衣姿のウヌが「97330回の実験の末、[Mystery Elevator]の発明に成功した」と得意気に語り、エレベーターの紹介が始まった。ちなみに、「97330」という数字は、彼の誕生日と同じだ。ウヌがぬいぐるみに囲まれている階、また、オトナな雰囲気の彼がワインをたしなんでいる階など、年齢もシチュエーションも様々な階に到着するが、どれも彼の望む階ではないようで、乗って降りて…を繰り返す。 そして、彼が「次はどこへ行こうか?」とカメラ目線で言うと、ステージが真っ赤に染まりサイレンが鳴り始めた。どうやら[Mystery Elevator]にエラーが起きたようだ。 エレベーターが止まり、ステージに現れた彼は、韓国の女性シンガー・イ・ヒョリの楽曲「10 Minutes」をダンサーを従えてしなやかに踊りながらカバー。続けて流れてきたイントロはASTROの「Crazy Sexy Cool」。歓声が起こり、大きな掛け声もかかる。そして、「knock」「Candy Sugar Pop」とASTROのナンバーが続き、会場のボルテージが一気に上がる。ウヌも手拍子を煽って、何度も「面白いですかー?」と尋ねる。 「叫べ―っ!!」。歓声でKアリーナが揺れる。どの曲もメンバーの歌声が入ったままで、遠く離れていても心は共にある事を改めて感じさせた。 「Again」まで歌い終わって、肩で息をするウヌ。登場してからノンストップで踊り続けていた彼は、自分でも「シャワーを浴びたみたい」と言うほど汗でビッショリ。しばらくして呼吸が整った彼は、このメドレーは彼が好きなASTROの楽曲で構成したと説明。そして、彼らの日本デビュー曲「花咲ケミライ」も披露した。 MCで、観客に何度も「楽しんでますか?」「面白い?」と尋ね、大きなリアクションが返ってくると、「うん。いいですね」と頷く。そんな光景が幾度となく見られた。「公演が終わった後、今日は楽しかったな、幸せだったな、と思ってほしい」という彼の想いの表れだ。 そして、「どんどん盛り上がってるけど、もう少し盛り上がろうか」と、彼の主演ドラマ「ワンダフルデイズ」のOST「嫉妬」を。下手の端まで行き、ステージのヘリに腰かけて、ファンに近づいて歌う姿が印象的だった。 ■YOASOBIの「たぶん」を日本語でカバー [Mystery Elevator]で再び移動した後、全身白のスーツで登場した彼は、イスに座ってYOASOBIの「たぶん」を。せつない失恋の心情を、正確な日本語の発音で、美しいファルセットボイスを交えて情感たっぷりに表現した彼は、「この曲、いいでしょ?」と観客に尋ねた。そして、次回また日本で公演する時には、新たな日本語のカバー曲を披露する事を約束してくれた。 ■[Mystery Elevator]ツアーの最後の到着階は「星座の倉庫」 リラックスした良い雰囲気を保ったまま、[Mystery Elevator]ツアーは最後の階へ。到着したのは本日の公演日と同じ数字の630階。かなりの高層階なので、気圧で耳が痛くないか、と尋ねるウヌ。観客もこの世界観に乗っかり、口々に「痛ぁーい!」と訴える(笑)。ウヌも耳が痛い、と言って笑った。 ここは、彼が作った星座が保管されている「星座の倉庫」。彼は、今日はどんな星座を作ろうか悩み、「この会場は、ボクにとって意味があるし、来てくれた皆さんへ感謝の気持ちもとてつもなく大きいです。だから、そんな気持ちを込めた星座を作る事にします」と言って、星を描き始めた。 ■ウヌが作った星座の意味は…? 星座を作っている彼を静かに見守る会場に向かって、「正直、今、退屈でしょ(笑)?でも、完成した物を見たら、スゴく満足できると思いますよ」と言いながら、淡々と描き続けるウヌ。「ここは横浜?3月(の公演)は埼玉?」などと話しながら完成させていく。そして、“M”と“A”の形の星座を見せて、「どんな意味かわかる?難しいでしょ?」とニヤッと笑った後、「YOKOHA“MA”、SAITA“MA”」と説明。会場は大爆笑だ。 「この星座を夜空に上げるには、みなさんの声が必要」との事で、彼と観客が声を合わせて「いち、に、さん!」と大声で叫ぶと、“M”と“A”の星座が、夜空を模した大きなLEDに浮かんだ。会場の「おぉーっ」というどよめきに、「最先端の技術」と得意気なウヌ(笑)。元々あった星座も、彼が各地で公演をしながら今日のようにその場で作ったもので、公演が行われるごとに新たな星座が追加されているんだそう。 星座について説明した後、「このようにして、本日の[Mystery Elevator]ツアーは終わりを迎えました」と、突然終了を告げる彼に、「えぇぇーっ!?」と、まだまだ終わりたくない想いをぶつけるAROHAたち。「ダメ?」と問いかける彼に「ダメーッ!」とアピール。そんな彼女たちを、彼は「まだちょっとアンコールがありますよ」と笑わせ、空気をなごませる。 そして、改めて「今日、幸せだった?面白かった?」と尋ね、大きなリアクションを受け取った彼は「ボクも。こちらこそありがとうございます!」と、日本語で感謝を述べた。 ■宇多田ヒカルの「First Love」も披露 「心を込めて歌って、最後のご挨拶をしたいと思います。今までチャウヌでした!」と大きな声で挨拶した後、歌い始めたのは宇多田ヒカルの「First Love」。最初、目を閉じて歌の世界観に集中していた彼は、サビでは会場を見渡しながら想いを込めて歌い上げた。 鳴りやまない拍手の中、本編ラストソングとなる「You're the best」が始まった。「愛という言葉でしかキミを表現できない」という愛と優しさが溢れた歌だ。ステージの端から端までゆっくりと歩き、ファンと目を合わせながら「僕の手をとって、世界中どこでも僕と一緒に行こう」と歌うウヌ。「花道があったら良かったのに…」と、ファンともっと近づきたい気持ちを表わした後、「まだ終わらない!」と言って、本編が終了した。 ■「みなさんのおかげで、有意義な1日でした」 アンコールで、ツアーTシャツにシーンズ姿で登場したウヌは、ASTROの「first love」を幸せな雰囲気たっぷりで歌った。彼は、この歌を歌うと気分が良くなるそうだ。 「みなさんのおかげで、有意義な1日でした。アンコール公演ができる事じたい、みなさんの熱い応援があったからじゃないですか」と感謝を述べたウヌは、「もっとカッコよくて楽しい公演で、またみなさんに会いに来ます!」と、次回の公演を期待させた。 3階まで超満員の観客と記念撮影をしようとした時、ステージのスクリーンに、彼のこれまでの軌跡を追った映像とファンからのメッセージが流れた。それをじっと見入るウヌ。そして映像のBGMとして流れていた「You're the best」に合わせて誰からともなく歌い出し、気が付けば会場中の大合唱となり、彼をさらに感激させた。 サプライズ映像が終わり、彼が会場の方を向くと、観客全員が「ウヌの存在が私たちの力」と韓国語で書かれたスローガンを掲げていた。それを見て「ホントですか?ボクの存在が力ですか?」と彼が会場に問うと、今日イチぐらいの大きさの「ネー!(※韓国語で「はい」)」が返ってきた。笑顔全開で「カワイイね」と言った彼は、「だったら、もう少し一生懸命存在してみようと思います」と告げて、会場を沸かせていた。 ■「明日は、もっと幸せならいいですね」 ダンサーも交えて客席をバックに記念撮影をした後、「みなさんのおかげで、今日はとても幸せでした。明日はもっと幸せならいいですね。最後まで楽しく!(日本語で)大好きでーす!」とコメントして、遂に本当にラストソングに。最後は、彼が出演し、俳優として世界的にブレイクするきっかけとなった大ヒットドラマ「女神降臨」のOST「Love so Fine」で締めくくった。 歌い終わってもステージを去りがたい彼は、上手から下手まで歩きながら丁寧にファンサービス。「後ろの人もありがとうございます!2階も3階も!」と、遠くて寂しい想いをしているファンも気遣った。ささいな事かもしれないが、こんな心遣いがファンにとってはスゴく嬉しいのだ。「気を付けて帰ってね!」と最後に言い残して、名残惜しそうにウヌは去り、約2時間の公演が終了。誰もが幸せで楽しい思い出となった公演となった。 ◆取材・文=鳥居美保
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