[韓流]住居侵入などプライバシーを侵害 迷惑行為に苦悩するK―POPアイドル
【ソウル聯合ニュース】「家に入ってくるのは当たり前で、僕が寝ているときにキスした人が捕まったこともあった」――。 韓国の歌手、キム・ジェジュンがユーチューブチャンネル「Jae friends」で東方神起やJYJのメンバーとして活動していたころに経験した一部ファンによるプライバシー侵害行為について語ると、話を聞いていた後輩アイドルはショックを受け、手で口を覆った。先輩が後輩に昔の苦労話を語ったと言ってしまえばそれまでだが、芸能人のプライバシーを侵害する暴走ファンの迷惑行為は今も現在進行形で起きている。 キム・ジェジュンが4月にリリースしたアルバム「FLOWER GARDEN」の収録曲にはプライバシー侵害の被害を訴える内容の曲がある。この曲の歌詞には「毎晩電話しないで」「息が詰まる」「お金もらって電話番号売らないで」というフレーズが登場する。 芸能関係者によると、CNBLUE(シーエヌブルー)は今月21日、ファンコミュニティーアプリのWeverse(ウィバース)に、メンバーのプライバシーを侵害するケースが最近発生したとし、今後、こうした行為をするファンに対しては全てのイベントへの参加禁止などの措置が取られると通告した。 所属事務所の関係者は聯合ニュースの取材に対し「特定のファンが、メンバーが頻繁に訪れる場所を探り追いかけたり、自宅に押し掛けて警備員に会わせてほしいと要求したりするなどプライバシーを侵害した」とし、「メンバーの隣人や家族に被害を及ぼす行為なので控えるよう公式に要求した」と説明した。 ZEROBASEONE(ゼロベースワン、ZB1)は20日、メンバーの個人情報を調べ上げ連絡を試みたり、居住地に無断侵入したりといった迷惑行為を受けて、警察に告訴した。 K―POPアーティストの海外での活動が増えたことで飛行機内でプライバシー侵害が発生するケースも増えている。機内でアーティストに近づこうとしたり、アーティストの座席を勝手に変更したりするケースもあった。 TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)のテヒョンは6月にSNS(交流サイト)で、海外でのサイン会を終えて乗った帰国の飛行機でメンバーの機内食のメニューが何者かによって変更されていたとし、「なぜこんなことをするのか到底理解できない」と被害を訴えた。 TXTが所属する総合エンターテインメント企業、HYBE(ハイブ)は、所属アーティストの航空券に関する情報を不正に取得し、数億ウォン(1億ウォンは約1000万円)に上る利益を得たSNSアカウント運営者を警察に通報するなど対応に乗り出した。 K―POPアイドルがプライバシー侵害の被害を受けるようになったのは大規模なファンダム(ファン集団)が登場し始めた1990年代から。 芸能関係者は、アイドルの写真を撮るために、不正取得された情報を購入し、撮影した写真をファンに売って金稼ぎをする人がおり、被害が絶えないと説明している。 芸能事務所も所属アーティストのプライバシー侵害に対応しているが、侵害行為がインターネット上で行われ、その痕跡を消されてしまう場合が多く摘発が難しい。 ある芸能事務所の関係者は「海外でのスケジュールがあると、所属アーティストの写真を撮ろうとする人たちが偶然を装う努力もせずに(同じ)飛行機に乗り、(宿泊先の)ホテルに侵入する場合もある」とし、「結局、情報を売買する人を処罰しなければプライバシー侵害問題の根絶は難しい」と指摘した。 このようなファンの歪んだ心について、専門家はSNSが社会に定着したことで生じた副作用だと指摘する。ファンたちもアーティストのプライバシーを侵害するファンは「ファンではない」という認識を共有しながら問題改善に取り組む意志を見せている。 ソウル大心理学科の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授は「SNS社会が到来し、誰もが多くの情報を入手しやすくなり、自分だけが知っているコンテンツを手に入れたいという心理も強まった。そのような心理に付け込んで、アーティストのプライバシーを侵害して収入を得る異常な行為が現れるようになった」との見方を示した。 大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「ファンたちも次第にアーティストのプライバシー侵害がストーキングに該当する犯罪だという事実を認識し始めた。プライバシーを侵害する人を同じファンと呼ばないでほしいと求めるなどファン文化を変えようとしている」と説明した。
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