「公害や薬害などで被害者救済が認められやすくなる」旧優生保護法訴訟・最高裁判決を専門家は評価「保守的に判断傾向の最高裁が踏み込んだ」
東北放送
不妊手術を強制された被害者が国に損害賠償を求めた裁判で最高裁判所は3日、旧優生保護法を違憲とし国の賠償責任を認めました。この判決について民法の専門家は「被害者救済にとって大きな意義があり、最高裁としての役割を最大限に果たした」と評価しています。 【写真を見る】「公害や薬害などで被害者救済が認められやすくなる」旧優生保護法訴訟・最高裁判決を専門家は評価「保守的に判断傾向の最高裁が踏み込んだ」 最高裁判決を受け、加藤こども政策担当大臣は4日午前、宮城県内の飯塚淳子さんら一部の原告と急きょ面会し、謝罪するとともに賠償手続きを進める方針を伝えました。 最高裁は3日、旧優生保護法を違憲と判断。さらに、不法行為から20年経つと損害賠償を請求する権利がなくなる旧民法の「除斥期間」について、「国が適用を主張すること自体、権利の濫用で許されない」と断じ、過去の判例を変更して適用を認めませんでした。 民法が専門の成蹊大学、渡邉知行教授は「最高裁はかなり保守的に判断する傾向があるが予想以上に踏み込んだ判断だった」と指摘します。 成蹊大学 渡邉知行教授: 「最大限被害者保護のために判例変更している。この事案の解決だけではなくて、他の事案のことも考慮して被害者救済に必要な判断がされたということで、最大限に最高裁としての役割を果たしてくれた。被害者救済にとって大きな意義がある」 そのうえで、今後、様々な事案の被害者救済に影響してくると予想します。 成蹊大学 渡邉知行教授: 「この最高裁判決が出されたので、公害や薬害など長期間の潜伏期間があって健康被害が発生するようなケースで、被害者救済が認められやすくなるというようなことがあると思う」 判決を受け、政府は不妊手術を強制された人たちへの新たな補償について、可能な限り早急に結論を出す方針を示しています。
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