鈴木伸之“大翔”、夢を諦めようとするハマカワフミエ“新垣”に熱い檄を飛ばす「送ってくれたヤツのために打席に立て!」<バントマン>
鈴木伸之が主演を務めるドラマ「バントマン」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系 ※FOD・TVerにて配信)の第2話「打席に立て!!」が10月19日に放送された。イニングナイングループの「SBO部(秘密の福利厚生組織)」にヘッドとして就任した根鈴華(倉科カナ)。最初の仕事は、シナリオコンクールへの応募を目指すコーポレート事業部の新垣裕香(ハマカワフミエ)のサポートをすることだった。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】目を輝かせながらSBOにやってきた大翔(鈴木伸之) ■オリジナルで描く“スポーツ・エンターテインメントドラマ” 本作は、土ドラ初の“スポーツ・エンターテインメントドラマ”で、中日ドラゴンズの全面協力で実現。ドラゴンズが連続ドラマとタッグを組むのも初であり、“初めてづくし”の作品となっている。 主人公は、ドラゴンズのホームランバッターとして活躍するも、戦力外通告を受けてしまった元プロ野球選手・柳澤大翔。演じるのは、自身も中学生まで地元のクラブチームで4番バッターとして活躍した鈴木。「誰かのスコアボードに幸せという名の得点を刻む」を信念に、犠牲を払って周囲をサポートする陰のヒーロー“バントマン”にスポットを当てている。 大翔の父・大喜をモロ師岡、母・絵里子を朝加真由美、大翔の一人息子で少年野球チームに所属している直斗を小山蒼海が演じている。野球オタクで野球の哲学は全て人生にもそのまま通じると考えているイニングナイングループ社の社長・櫻田誠一郎を坂東彌十郎、櫻田が作った究極の福利厚生組織「SOB(シークレット・ベネフィット・オーガニゼーション)」のバントマンをたちを束ねるヘッドの根鈴華を倉科が演じる。他に、社長秘書・末松透子役を福田ユミ、SBO部員の藤堂俊介役を平原テツ、梶間響子役を石川瑠華、吉岡葉留樹役を阿久津仁愛が務めている。 ■SBOのヘッドとしての初仕事がスタートした 中日ドラゴンズから戦力外通告を受けた大翔(鈴木伸之)は、トライアウトに参加し、ホームランを打った。球団からのオファーを待つが連絡が来ない。そんな大翔のところに「契約を交わしたいと思っております。一度、お会いできませんか」とオファーしたのは、イニングナイングループ社の社長・櫻田(坂東彌十郎)だった。 櫻田からSBOの理念を聞き、「犠牲はかっこいいんです。もう一度プロ野球の世界に戻れるまでここで働こう。ホームランを打つ場所が見つかるまでここでバントしよう」と提案されるが、大翔は「でも、俺はホームランを打つ人間なんで。ランナーを進めるより得点を多く取りたいので、バントはやる気ないです」と断り、プロ野球球団からのオファーを待つことにした。 大翔と同じタイミングで櫻田がオファーしたのが、根鈴華(倉科カナ)だった。総務部に所属していた華をSBOのヘッドとしてスカウト。華は事情もよく分からないまま、新しい職場での仕事が始まろうとしていた。 ■「なんか報われないですね」と犠牲バントに対してモヤっとした思いが 櫻田の「すべての道は野球につながっている」という考えをもとに、SBOは困っている社員に手を差し伸べて次のステップに送り出すということを行なっている。究極の福利厚生の手伝いをするSBOのメンバーを櫻田は敬意をもって“バントマン”と呼んでいる。 そのバントマンの一員、しかも“ヘッド”として加わった華だったが「そもそもバントって何ですか?」と聞いてしまうほど、野球には疎いようだ。他のSBOのメンバーたちが詳しく丁寧に説明するが、「犠牲バントということは、バントをした人はアウトになるんですか? それはなんか報われないですね」と、少し引っかかった様子。 それに対して櫻田が「犠牲になることは誰かのスコアボートに“幸福”という名の得点が刻まれる」と説明するが、まだ納得できていないのか、モヤッとした表情になる華。 ■新垣をサポートする中で、大翔の手助けが必要になった そんな中、SBOでの初仕事が始まった。ターゲットは、シナリオコンクールへの応募を目指すコーポレート事業部の新垣裕香(ハマカワフミエ)。仕事だけでなく家事や育児に追われながらも、コンクールに向けてシナリオを書いている彼女をサポートするというのが今回の役目。 SBOのメンバー全員で新垣の手助けをするが、新垣の夫が彼女の夢に対して理解を示さなかったり、彼女自身も自分が書くシナリオに自信が持てなくなったりして、シナリオを書くことだけに集中するのはやはり難しそうだった。 華と会話する中で、新垣は「坂元裕二さんとか、なんであんな面白いもの書けるんだろうな」と語った。それを華はSBOのメンバーに話すと、梶間(石川瑠華)が「もしあれだったらアドバイスをもらいますか? 坂元裕二に」と言って、雑誌のあるページをみんなに見せた。 そこには大翔が「趣味はドラマを見ること。特に坂元裕二さんのドラマが好きです。この前、知人を通してお会いする機会がありました」と書かれていた。梶間に「ヘッド、(大翔に)お会いしてますよね?」と言われた華は、新幹線で名古屋まで行き、大翔に会って頼み事をした。 ■「ホームラン打ってもらえませんか?」と言われて大翔が奮起 また契約の話だと思った大翔は「俺はバントしないですから。社長に言っといてください」と華に伝えるが、「そうじゃなくて、坂元裕二さんに会いたいんです」という言葉が返ってきた。 華からの「坂元裕二さんにあるシナリオを読んでいただきたいんです。読んだ感想をいただきたい」という願いに、大翔は「無理ですよ。会ったの5年前だし」と断った。しかし「そこをなんとか。あなたにしかできないんです。ホームラン打ってもらえませんか? 櫻田社長が言ってたヒーローが打ったホームラン、私も見たいです」という言葉が響いたのか、なんとシナリオを読んだ感想を受け取ることに成功した。 感激した新垣を見た大翔は、「社長が言っていたバントマンってこういうことなんですかね。誰かの役に立てるっていうのは悪い気はしないかな」と、感謝されて気分も良さげ。 ■大翔の熱い檄に刺激され、華も熱い思いをぶつけた これでうまく行きそうという状況になったが、夫から「コンクールに出したら夢つかめるの。それ、子供を犠牲にしてまですること?」と言われ、コンクールへの応募を諦めることを決意。 そんな状況とは知らない大翔がSBOにやってきた。「昨日、坂元さんから連絡があって、『頑張ってください』って、それを伝えたくて。『アドバイスはルール違反だからできないけど応援してます』って。坂元さん、いい人過ぎるね」と、伝えに来たのだった。 新垣が応募を諦めたというのを知った大翔は新垣に会いに行き、「なんで簡単に諦めちまうんだよ」と問い詰める。「私の夢は見てちゃいけない夢だったんです」と話す新垣に「どんだけあんたのためにつないだと思ってんだ。みんなでつないで送って打席回したんだぞ。そこでヒット打てないならしょうがないよ。でもな、打席に立とうとも思わないなんて俺は許せない! 打席に立ちたくても立てない奴もいるんだ。逃げてどうする。三振でもいいから思い切り振ってこいよ。送ってくれたヤツのために打席に立て!」と熱く檄を飛ばした。 大翔の言葉は華にも響き、華は新垣の夫に会いに行って、「あと数日でいいのでシナリオを書くことに集中させてくれないでしょうか。もし反対の立場で、夢を諦めて家事と育児を優先しろって言われたらどうですか? 夢を追いかけるのに男も女もないと思います」と、大翔に負けないくらいの熱さで考えを伝えた。 その甲斐あって、新垣は無事に応募を済ませることができた。SBOのメンバーたちに華の初仕事は「プロ入り初打席、初犠牲バント」と評価され、「報われた気がします。誰かのために犠牲になることで満たされるっていうか、今まで生きてきてこういうの初めてっていうか、気づかなかったっていうか」と、今度はすっきりした表情を見せた。 “犠牲バント”の重要性に気づき、SBOの仕事を理解した華。そして、大翔も今回のことで思うところがあったのか、いい表情をしてSBOにやってきた。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部