北村一輝、億万長者に!「僕は芸能人ではなく俳優」
新感覚のマネーエンターテインメント映画『億男』(大友啓史監督、10月19日公開)は、3000万円の借金を抱える一男(佐藤健)が宝くじで3億円を当て人生をやり直そうとするも、億万長者の親友・九十九(高橋一生)に持ち逃げされてしまうことから始まる物語。3億円と親友のゆくえを求めながら、幸せのあり方や家族のあり方、友情のあり方などを問う。原作は、累計発行部数76万部を突破している川村元気氏の小説だ。初共演となる佐藤、高橋のほかにも、黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、藤原竜也ら共演陣もゴージャス。個性的な億万長者の一人として登場する百瀬役の北村一輝に聞いた。
イメージ覆す驚きのビジュアル
北村演じる百瀬は、元CTO(最高技術責任者)のスーパーエンジニアで、現在は3つの会社を経営する億万長者。競馬場のVIPルームで億の金を転がし、関西弁を操る怪しい男という濃い個性の役どころだ。驚くのはそのビジュアルで、ちょっと見には北村とわからないほど、これまでのイメージを覆すような、眼鏡に無精ひげでIT系オタクの匂いがプンプンする。 「衣装合わせの段階でアイテムまですべて用意されていて、あとは大友監督のビジョン、イメージを体現するだけでした」
役作り論 セリフが一番大事な理由
役作りについてサラリと話す北村だが、撮影期間の一部が春の連続ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)と重なっていた。同ドラマでは、IT系オタクとはまったく異なるシリアスな刑事役を演じていたが、同時期にタイプの異なる役を演じる工夫のようなものはあるのだろうか。 「最近はあまり他作品の撮影スケジュールがかぶることはなかったのですが、今回はどうしても少し重なっていました。まずセリフを完璧に入れることですね。台本が手元にきたら何日かで覚えてしまい、早口言葉で全部言えるようにします。現場でスムーズに出るように。知っている歌を歌っているようなものですよね」 役を演じるうえで、セリフが一番大事だという。 「お金持ちであったりオタクであったり、いろいろ特徴はあるのですが、どこをフィーチャーするかということ。たとえば医者を演じるとしたら、医者だからきっちりしてしまうということ自体が間違いだったりすることもある。結局、人なのですよ。大金を持っていても変わらない人間がいるなかで、百瀬はやっぱり身なりや、下品さもありますが、お金に対してどういうふうに考えている人か、ということが大事だったりします。彼が話している言葉の端々にお金に対する価値観が表れているというか。だからセリフが一番大事かなと」