北村一輝、億万長者に!「僕は芸能人ではなく俳優」
少年時代から演技に興味「2、3番手の役者が好き」
北村は、少年時代から芝居が好きだったという。 「親や兄がとても映画好きで、最初は古い作品、50年代や60年代のものから観ました。小学校の頃、ちょうどハリウッド映画、『スターウォーズ』やら『スーパーマン』やら、スティーブン・スピルバーグも出てきて、最高に充実した状況で、映画にふれる環境がありました。『ロッキー』みたいな作品もあれば『ゴッドファーザー』もあり……。あこがれた俳優は、ジャック・ニコルソンやアル・パシーノ。あとは結構、脇役の人を見ていたりします。2、3番手が根本的になぜか好きです。ああいうのがかっこいいなと」 それが現在の仕事にもフィードバックしているとか。 「『ロッキー』のシルベスター・スタローン、『スーパーマン』のクリストファー・リーヴといった主演よりも関心があるのはその周囲にいる俳優。なんかこの人、いい味出しているなとか、これだけいろいろな違う役を演じられる、それこそクリストファー・ウォーケンとか、ああいう役者にあこがれますね。助演でも作品を支えているような」
芸能人は大事にされがち 見つめ直したい若いときの勘違い
自身も主演というより助演で光ってきたが、そんな渋好みなところからくるのだろうか、芸能人意識がないという。 「こういう仕事をしていると芸能人に見られますけど、僕自身は芸能人ではなく俳優という意識です。この世界に入ったときから俳優部でした。映画の世界で、撮影部、照明部、俳優部とあり、カメラマンのおじさんに蹴られたり怒られたり。現場が好きです。舞台挨拶は正直苦手で、そこはスターの方だけにお任せしたいな、と」 プライベートにも、そんな感覚が息づいている。仕事関係の人よりは、一般の人と過ごす。 「この間も、いつも集まっているご近所さんと遊びましたよ。それぞれ仕事もバラバラですけど、40代から50代の5人で旅行を楽しみました。普通のことをしている時間も大切だな、と。普段から芸能人だと大事にされがちなこともありますので、ものを見失ってしまうと思う。お金と一緒ですが、普段よくされているのを当たり前だと思ってしまったり。仕事としてよくされているだけなのに、自分が偉いように思っちゃったりとか。若いときのそういう勘違いは、ちゃんと見つめ直していかないといけないなと思っています」 社会にきちんと足をつけたところで、俳優業も考えている。北村が多くの人に支持される理由がわかるような気がした。 (取材・文・撮影:志和浩司)