子供を認知して、また認知…節操のないネイマールだが、ブラジル国内では一定の評価も「フットサルチーム結成まであと一息だ」
父親と判定されれば4人目の子供
「フットサルチーム結成まであと一息だ」 「それどころか、フットボールチームだってできるんじゃないか」 ブラジルで今、ネイマールがプレーではなく私生活で話題を集めている。 未婚でありながら3人目の子供を認知したばかりだが、さらに別の女性が生んだ子供の認知を巡ってDNA検査をしたことが明らかになったからだ。 まだ18歳の若手選手だった頃、短期間交際した17歳の女性を妊娠させた。男の子が生まれ、認知して相当額の養育費を払うことになった。その後、多くの女性と浮き名を流したネイマールは昨年10月、ある女性との間に女の子が生まれた。しかし、子供を認知したものの女性とは破局。そして、その破局した女性とまだ交際していた時期に別の女性を妊娠させていた事実が判明し、先月、その女性が女の子を産んだのだが、それだけでは終わらなかった。 「2013年に彼と関係を持ち、妊娠して娘が生まれた」 として、10歳の女児の認知を求める女性が現われ、冒頭の通りDNA検査を行なったのである。父親と判定されれば、4人目の子供だ。 【PHOTO】2024年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介! ブラジルは個人主義の国であり、独身のスポーツ選手の異性関係には比較的寛容だ。ただし、"タブー"はある。カトリック国であり、堕胎は重大な違法行為。男性側が生まれた子を認知せず、養育費支払いを拒む場合も糾弾される。 ネイマールは、妊娠させた女性に堕胎手術(違法なので闇ではある)を強要したことはないし、自分が生ませた子供を常に認知するのであれば、決定的なスキャンダルとはならない。なぜならブラジルでは、そもそも女性に子供を生ませておきながら逃げてしまう無責任な男が少なくないからだ。 その一人が、実はキング・ペレ。3回結婚して、5人の子がいる。これは全く問題ない。1人婚外子がいる。これも、認知して養育費を払ったから問題ではない。しかし、ペレの家政婦だった女性が妊娠して女児を生み、認知を求めたが拒絶。裁判所命令でDNA検査をして「99.99㌫以上の確率で父親」と判定されたにもかかわらず、終生、この娘と会おうとしなかったことは、強い批判を浴びた。 ブラジルは社会的な規範が緩い国だが、それでもネイマールの自由奔放な女性関係に関しては「さすがに節操がない」と顔をしかめる人が多い。その一方で、生ませた子供を常に認知して養育費を払うことは"一定の評価"を得ている。そして、ほぼすべての人が「今後、まだまだ子供が増える」と考えている。 文●沢田啓明 【著者プロフィール】 1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。