新時代のランドセルは“サブスク”や“消耗品として” 広がる多様な選択 人気色も変化
入学式に向けて、多くの家庭が準備するのが『ランドセル』。今、ランドセルを“買わない”レンタル制度や、低価格かつ高性能なランドセルが誕生しています。どんな需要を見込んで生まれたのか、60年以上カバンを作り続けるコクホー株式会社を取材し、現在のランドセル市場について聞きました。 【画像】ランドセルを「キーケース」や「財布」に“リメイク” かばん職人の思い
■「価格高騰」や「心身の成長」など 問題点から生まれた『サブスクランドセル』
2023年より開始されたのが『Rands』というサブスク。コクホーの、当時、専務取締役だった庄山理恵さん(現・RANDS株式会社代表取締役)が開発しました。約250種類もの中からランドセルを選択することができます。最低1か月、または4か月で別のランドセルに交換可能で、2年間、同じものを利用すれば無料で受け取れるというサービスです。さらに、修理にも対応していて、基本的な汚れであれば、費用は発生しないといいます。 なぜ、ランドセルをサブスク化したのか、庄山さんが理由に挙げたのが『ランドセルの価格高騰による家計負担』です。2022年のランドセル購入平均価格は5万6425円、2023年は5万8524円と年々、上昇傾向にあるランドセル。(ランドセル工業会調べ)。“多子家庭なので一度に数個の購入は厳しい”“手ごろな価格で購入したい”など、ユーザーからも値段に関する声が挙がっていたという。 他にも『心身の成長による好みの変化への不安』や『利用環境が変化する場合への不安』などの理由が事業を開始するきっかけになったといいます。庄山さんは「必要な時に必要なだけ利用できるうえ、入学準備時の費用負担も抑えることが可能。心身の成長や引っ越しなどの利用環境の変化にも対応可能」と様々な問題に対応できると語りました。
■レンタルだからこそ試せる 人気のカラーランキング
また、人気色にもある特徴が見られるといいます。 【人気カラーランキング】 ・男の子 1位:黒 2位:ブルー 3位:シルバー 4位:緑 5位:紺 ・女の子 1位:白 2位:紫/薄紫 3位:ピンク/ローズ 4位:紺/黒 5位:茶色 この傾向について庄山さんは「男の子は一般的な人気カラーとほぼ同じだが、シルバー等、購入にちゅうちょされる色が好まれる傾向にあると見受けられ、女の子は白や黒系等、一般の購入の人気上位にないカラーが人気になっています。購入には抵抗があるが、サブスクならば試してみようという心理がうかがえます」と分析しつつ、「過去の形にとらわれることなく、"自由な選択ができる”ことを知ってもらいたいです」と語りました。