女性客を〝育てる〟「色恋営業マニュアル」最初は優しく後で突き放し金銭巻き上げるホストたち 犯罪に手を染める女性が後絶たず
【カワノアユミの盛り場より愛を込めて】 警視庁は今月初め、SNSを通じて知り合った男性から現金約460万円をだまし取ったとして、「千夏麗」の名前で活動していた元セクシー女優の26歳の女を逮捕した。容疑者は30代の男性に対し、学生時代に看護師になりたくて知人に借りた金を返すため、などと偽って金銭を要求していたという。警視庁では、だまし取った金はホストクラブなどで使われていたとみて捜査を進めている。 ホストクラブへ高額な金を注ぎ込むために、女性が犯罪に走るケースが後を絶たない。恋愛感情を利用して多額の現金をだまし取る「頂き女子」として話題になった〝りりちゃん〟がそうであり、「第2の頂き女子事件」と呼ばれ、11月末に新たに男性2人から400万円を詐取した容疑で再逮捕された27歳の女も、インターネットカジノやホストクラブの遊興費に使ったと供述している。 女性にホストクラブで多額の支出をさせるには、ホストによる「色恋営業」が欠かせない。今秋、大阪のホストクラブでは女性客に多額の借金を負わせる新たな手口が発覚した。店側がホスト向けに作成したマニュアルが見つかり、ホストクラブ未経験の女性をターゲットに金銭を巻き上げる手法が詳細に記されていたという。ただ、こうしたマニュアル自体は、ほとんどのホストクラブに存在し、共有されている可能性が高い。 かつて東京・歌舞伎町のホストクラブで働いていた男性は、店内の実態を次のように証言した。 「店では男子更衣室に『色恋営業』の手法が書かれたマニュアルが貼られていました。まず、初回の段階では店に直接呼ばず、プライベートで会おうと誘います。『おいしいお店があるから行こう』などと、外で会う口実を作るのです。数回会ううちに相手が心を許してきたら、『付き合おう』といって恋人のふりをします。そして、女性が完全に信じきったタイミングで『今月ちょっと困ってて』『会えないかも』と伝えると、女性の方から自然と店に来るようになります。最初は優しく接し、後で突き放して客を〝育てる〟。これが基本の手法です」 悪質なホスト問題が社会的な批判を呼び、歌舞伎町のホストクラブ側も売り掛け(ツケ)行為を禁止すると宣言したことで一見、事態は収束へ向かうかのように見えた。