電動マイクロカーって本当はどうなの? 特長が活きる場所はある サイレンスS04へ試乗
クルマっぽくて走りもイイ 乗り心地は硬め
実際に走らせてみると、表示されている航続距離は正確な様子。アクセルペダルを優しく扱わなくても、100km前後は簡単に走れるようだ。 エドワーズは、クルマのように運転できると話していたが、確かに扱いやすい。アミより、クルマっぽくて走りもイイ。 動力性能は、通常のバッテリーEVと比べて鋭いわけではない。0-48km/h加速は7.0秒と穏やかなレベルだが、交通の流れには問題なく着いていける。そして、運転が楽しい。 最小回転直径は3.5mと小さく、ステアリングはダイレクト。155/65 R14のタイヤは良くグリップし、キビキビと走る。ブレーキにはABSも備わる。 乗り心地は硬め。全幅に対して全高が高く、ボディの傾きを抑える必要があるためだ。英国のように舗装の悪い区間が多い場所では、ちょっと不快ではある。速度抑止用のスピードバンプは、結構しんどい。 車内は、自転車と違ってエアコンが効いている。雨に濡れることはない。ステレオも付いているから、気に入った音楽を聞いていられる。 試乗したS04 プレミアムの英国価格は、1万5995ポンド(約302万円)から。電動スクーターではなく、間違いなくクルマの価格帯にある。正直なところ、これより安価な4シーターのバッテリーEVは存在する。 だが、特定の目的や環境なら、使い勝手は優れるだろう。市街地での配達や、リゾート地での短距離移動など、能力を活かせる場所はある。
英国では年間数100台の販売を想定
現在の社会は、S04より遥かに大きいサイズのクルマを基準に構築されている。もっと小型化できるにも関わらず、モデルチェンジのたびにボディサイズは拡大してきた。少し馴染めない条件があったとしても、それはS04だけの理由ではないように思う。 英国では、年間数100台の販売が見込まれている。電動スクーターの販売も手掛けているエドワーズは、それより人気を集める可能性があると考えている。筆者も、そうなることを願っている。 ◯:リゾート地や配達業務などへ理に適ったデザイン 普通車へ劣らない製造品質と装備 △:硬めの乗り心地 低めの動力性能
サイレンスS04 プレミアム(英国仕様)のスペック
英国価格:1万5995ポンド(約302万円) 全長:2280mm 全幅:1290mm 全高:1590mm 最高速度:83km/h 0-100km/h加速:-秒 航続距離:148km 電費:8.3km/kWh CO2排出量:- 車両重量:450kg パワートレイン:ツインモーター バッテリー:11.2kWh(実容量) 急速充電能力:-kW 最高出力:30ps 最大トルク:-kg-m ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)
マット・プライヤー(執筆) ジョン・ブラッドショー(撮影) 中嶋健治(翻訳)