首をボキっと鳴らすのは危険な行為なの!? やみつきになる感覚の正体やリスクを米理学療法士が解説
体の中で固くなっている部位を伸ばそうとすると、「パキッ、ボキッ」という音がする。でも、首の場合は少し心配。首を前後左右に動かしてボキボキと鳴らすことには、長期的な影響があるのだろうか? 【動画】音がしたら要注意!首&肩凝りに効果的なストレッチ方法 世の中には「指をポキポキ鳴らしていると関節炎になる」という噂があるので、首を鳴らすことに関しても慎重になる気持ちは分かる。でも、心配無用。あなたの不安(と首のコリ)を和らげるために、頼れる専門家たちが集結してくれたから。ここからは、首からボキボキという音がする理由、首を鳴らすことの利点とリスク、そして首の痛みやコリで病院へ行くべきタイミングについて見ていこう。 ※この記事は『Prevention』からの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
首が鳴るのは一体なぜ?
人間工学コンサルタント会社Briotixの理学療法士、サンドラ・ミラー氏によると、首の骨は椎間関節という小さな関節でつながっており、私たちの頭部の動きを支えている。「他の関節と同様、椎間関節には気体の混合物(窒素、二酸化炭素、酸素)と液体が含まれています。首を鳴らすと少し楽になるのは、そこから気泡が放出されて関節内の圧力が減るからです」。そう、あのボキボキッという音や感覚は、気体が放出されている証拠なのだ。 米ニューヨーク脊椎研究所に所属する認定整形・脊椎外科医のマイケル・ファルーン医学博士によると、あのボキボキは、関節を取り巻く軟骨のシワ、腱や靭帯が互いに擦れ合って生じる摩擦音の可能性もある。
首を鳴らすことに伴うリスク
ファルーン医師によると、首、指、手首などの関節を鳴らすのは95%以上の確率で安全と言える行為。「関節の自然な動きを変えて関節を鳴らすことが、体や関節の健康に良いか悪いかを証明した研究結果は皆無に等しいです」。とはいえ、極端なケースには注意が必要。ファルーン医師いわく、関節を鳴らす際に痛みが生じる場合や、関節が通常の可動域を超えて無理に動かされている場合は危険。 また、シャー医師の話では、首をしょっちゅう鳴らしていると、背中の別の関節にかかる負担が増えてしまうことがある。「“ちょうどいい”と“やりすぎ”の境界線は、定義するのも、またぐのも難しいです」とシャー医師は言うけれど、背中や首を鳴らしすぎると関節(ヒンジ)の摩耗や損傷が加速して、手術などの介入が必要になるという報告も上がっているそう。 そして、首の鳴らしすぎには、稀とはいえ以下のリスクが伴うことを覚えておいて。ミラー医師によると、これは首を強く鳴らしすぎた場合にも、頻繁に鳴らしすぎた場合にも当てはまる。 ・神経の圧迫 ・脳卒中 ・血栓 ・変形性関節症 これらのリスクは一般的には低いけれど、ミラー医師いわく、脊椎がん、脊椎骨折、骨粗しょう症、椎骨動脈疾患、脊柱側弯症、関節炎の人の場合はリスクが高い。