フランス指揮官 不振エムバペ招集外は「彼にとって良いこと」 イスラエルとドローで8強入り
欧州ネーションズリーグは14日、各地で1次リーグ第5戦が行われ、最上位リーグAの2組でイタリアとフランスが準々決勝(来年3月20、23日)進出を決めた。 イタリアは敵地ブリュッセルでベルギーを1-0で下し、4勝1分けの勝ち点13で首位をキープ。フランスは地元サンドニでイスラエルと0-0で引き分けたものの、勝ち点10としてイタリアとともに2位以内を確定させた。両国は1位を懸けて17日にミラノで対戦する。 フランスは不振が続くFWエムバペ(Rマドリード)が招集外で、FWデンベレ(パリSG)が太腿の負傷で欠場。スタッド・ド・フランスでは昨年6月以来17カ月ぶりの代表戦だったが、決定力を欠いて格下イスラエルとスコアレスに終わった。デシャン監督は地元テレビTF1でエムバペについて「彼が苦しい状況にいることは事実だ。明らかにキャリアの中で最も幸せとは言えない時期を過ごしている」とコメント。太腿の負傷で欠場した10月と違い、今回は「(代表に)来たがってた」と明かした上で、「現時点では(選ばないことが)彼にとって良いことだと思う。誰にでも苦しい時期はある。フィジカル的な要素もあれば精神的な要素もある」と説明した。 試合は厳重な警備体制の下で実施された。7日にオランダのアムステルダムで行われた欧州リーグのアヤックス(オランダ)―マッカビ・テルアビブ(イスラエル)で、試合後にマッカビ・テルアビブのサポーターが襲撃され、5人が負傷する事件が発生。SNSでは「パレスチナに自由を!」と叫びながら暴行する集団の動画が拡散された。試合前には同クラブのサポーターと親パレスチナのデモ隊が衝突し、62人が地元警察に逮捕されていた。 8万人収容の競技場に集まった観客は1万1661人で、スタンドは空席が目立った。イスラエルのサポーターは150人ほどだったが、黄色い風船を振り「(イスラム組織ハマスは)人質を解放せ」と叫んだ。前半にはイスラエルのサポーター席周辺で小競り合いが発生したほか、イスラエル国歌の際にはブーイングや口笛が起きた。試合前には数百人の反イスラエルのデモが競技場周辺で発生。パレスチナやレバノンの国旗を振りながら試合開催に抗議した。