「最高のドラマー」は誰だ!? スカパラ・茂木欣一×フレデリック・高橋 武が熱弁
実際に会ったスティーヴ・ガッドの姿勢を見て…
高橋は「最高のドラマー」の2人目に「そりゃそうだって感じだけど」と前置きしつつスティーヴ・ガッドを挙げた。 高橋:もちろんプレーに関しては最高なんですけど、僕が特に考えさせられたのが、去年ドラムセミナーでガッドが来ていて、そのときに質問コーナーがあったんですよ。カジュアルな質問からテクニカルな質問までいろいろあったんですけれど、答えるまでにすごく考えるんですよ。 茂木:へえ。 高橋:これなら即答してもよさそうな答えでもめちゃくちゃ考えていて。それって訊いてくれた人に対してどういう言葉を選んで、どういう伝え方をしたらいいのかってことを考えてから言葉を発していると僕は感じたんです。それってスティーヴ・ガッドの音楽の向き合い方と繋がってくるなって思ったんですよ。 高橋は「逆に僕が後輩のドラマーに『これどうしたらいいですか?』とか訊かれたときに『こういう叩き方したらいいよ』と即答しちゃいそうなことでも、スティーヴ・ガッドはすごく考えていた」と感心する。 高橋:最初にかけた『Billie Jean』じゃないけど、結局答えがシンプルなところに行き着くとしても、そこに至るまでの過程を「みんながそうしてる」じゃなくて、自分の中で咀嚼してその結果・その答えに行き着いているかどうかって、結果的に演奏の仕方とかも変わってくるなと思っていて。スティーヴ・ガッドがその手順をちゃんと踏んでいる感じが、「そりゃそうだろう」って思いつつもめちゃくちゃスゲえなって感じました。 高橋は、スティーヴ・ガッドと言えばこのフレーズという1曲、ボブ・ジェームスの『Heads』をセレクト。オンエアした。
「ドラムも結局フレーズなんだって教わった」
続いて、茂木は2人目にニューオリンズのバンド・ミーターズのドラマー、ジョセフ“ジガブー”モデリステを紹介した。 茂木:キース・ムーンのときもそうだったんですけど、それ以上にドラムの常識を覆してくれたっていうか、ドラムで考えないほうが面白いなって教えてもらったというか。他の楽器がやっていることをもっと聴いたら、もっと面白いドラムのパターンとか考えられて、ドラムも結局フレーズなんだなということをジガブーからめちゃくちゃ教わった気がします。 あっこゴリラ:ミーターズのドラマーに影響を受けたって人も多いですよね。 茂木:ドラムが歌っているんだよね。口で言いたくなるというか。 茂木は「これはたまらない」とミーターズの『Cissy Strut』をセレクト。「たぶんレッド・ツェッペリンとかミーターズにめちゃくちゃ影響を受けている」とその影響が読み解ける曲だと紹介した。