武井壮さん~SNSという現実の世界を生きよう~【あなたのSNSディスタンス】
SNSのコメントについて相談を受けることも
ーーSNSのコメントについて、他の方から相談を受けることもありますか? 最近だと僕の後輩の女性のアスリートとかが、ひどい書き込みをされて僕のところに相談に来ます。「どんな風に受け止めたらいいんですか?」とか、「こんな風に言われるなら、もう表に出たくない」と悩んでいます。自分のことではほとんど大丈夫ですけど、まだ世の中の声に慣れていない最近実力が伸びたアスリートは傷つきやすいです。それを真正面から受け止めると、どんな強いアスリートも弱いんだなあ、と感じます。もう一段上に上がった対処の仕方というのを全員が身につけないと、本当に刃のようになって切りつけてくる言葉に対抗はできませんよね。
武井壮流のアドバイスの仕方
ーーSNSのコメントについて相談を受けた時、どのようなお話をされましたか。 武井さん: 誰かをおとしめる言葉をわざわざDM(ダイレクトメッセージ)に書き込んで送りつけるような悪意を持った人の言葉を真に受けて『自分の人生に価値がない』と思うほどもったいないことはないと伝えます。あなたの競技を見て「素晴らしいアスリートだ」と思ったり、感動している人たちが、その何千倍も何万倍もいるんだということをまず忘れないでほしいと。 例えば醤油(しょうゆ)のシミが白いシャツにできたら気になりますけど、例えばその一滴を海にポチャッて垂らしただけだと、もう誰も気付かない。むしろ「海の美しさの方が何億倍も何兆倍も大きくて素晴らしいもの」だと僕は思っているので「そんなことで君の人生は傷つかないよ」と伝えてあげるように気をつけています。僕がもらう誹謗中傷の言葉を見せていると『え? こんなにあるんですか?』と驚くんです。『私の周りに武井さん嫌いな人いないですよ!』と言ってくれるので『そうでしょ? これだけ書き込まれるオレもそうなら、何件か書き込まれている君の悪口もまるで気にすることないよ』と伝えます。 (アドバイスしたアスリートの子と)定期的に「最近どう?」と連絡を取りますが「最近はエゴサして、悪口書かれたりすることもあるんですけど、武井さんに比べたら全然少ないんだなと思ったら元気が出ます」と言ってくれます。少しは緩和剤になっているのかな(笑)