天心「革命ののろしを上げる」元世界王者と初対戦へ 来年2月24日vsモロニー 一歩ずつ階段上ってつかんだ好機
バンタム級の世界ランカーでWBOアジアパシフィック王者・那須川天心が2025年初戦で、前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニーとノンタイトル10回戦を戦うことが27日、都内で発表された。元世界王者との対戦は6戦目で初めて。WBC王者・中谷潤人のV3戦、WBA王者・堤聖也の初防衛戦とともに2月24日、東京・有明アリーナで行われる。来秋以降に世界挑戦を目指す那須川は「革命ののろしを上げる」と意気込んだ。 【動画】会見に登壇した天心 「革命ののろしを上げる」と宣言 天心が世界を見据え、前世界王者とグラブを戦わせることになった。「2025年1発目。革命ののろしをあげます」。その目は金髪以上の輝きだ。「来年は世界挑戦して、どういうベルトを取るのか、そういう見られ方に変わってきている。その中で自分自身の革命を。世界に通用するのかしないのかが分かる試合になると思う」と意気込んだ。 10月、キックボクシングから転向5戦目で初のベルトを手にした。日本ランカーを手始めに、試合ごとに相手がレベルアップする中、天心も成長を続けた。「前回の試合で課題がたくさん見つかった。距離の修正とか、徹底的に一つ一つ、毎日毎日、稽古している」。天心が何人かの候補の中から選んだ相手は、5月の東京ドームで、天心との対戦を熱望してきたWBO世界王者・武居由樹(大橋)に敗れたモロニーだった。「ボクシングを知らない人も分かる名前。自分の実力が本物か偽物か“モロに”分かるかな」と笑ったが「チャレンジのマッチメークだと自分でも思う。生半可な気持ちでやっていないという、自分の中での、ボクシングに対しての挑戦表明」と力を込めた。 目の前の相手だけではない。「モロニー選手と試合をした選手とも比べられる。そことの戦いでもある」。20年10月に井上尚弥(大橋)は7回KOで退けた。武居は判定勝ちだったが「超えるというより実力を出せれば。もちろん、チャンスがあればKOは狙う」という。 来秋以降、8戦目での世界挑戦の構想がある。主要4団体のバンタム級王座は日本人王者が占め、WBCが中谷、WBOが武居、WBAが堤、IBFは西田が君臨する。天心は負けられない一戦に「気持ちが上がる。待ってましたという感じで、こういう時の僕はメチャクチャ良い」と自信をみなぎらせる。モロニーに勝って世界戦への階段をまた一つ上る。(谷口 隆俊)
報知新聞社