「交通費が出る」バイトを掛け持ちしています。”2箇所から”交通費をもらっていた場合、「不正受給」になりますか?
交通費を支給してくれる会社は多いですが、不正受給が問題になるケースもあります。最近では働き方が多様化していて、複数の仕事を掛け持ちする方も多いのではないでしょうか。複数の職場から交通費をもらっている場合に、不正受給にならないか心配になる方もいらっしゃるでしょう。 そこで今回は、交通費支給の考え方や、不正受給にならないための注意点を調べてみました。不正受給が認められる場合は、超過分の返還が求められたり懲戒処分になったりするケースもあるため、注意が必要です。
交通費の支給は義務ではない! 会社の裁量に任されている
厚生労働省によると、通勤手当とは「通勤に要する費用を支弁するために支給される手当」です。しかし「通勤に要する費用は、使用者が支給することは義務付けられておらず、使用者が負担しなければならないという法律はない」と説明されています。 会社が交通費を支給することは任意であり、義務ではありませんが、人事院の調査によると、現状では9割以上の会社が交通費を支給しているようです。 ただし、支給額については決まりがないため、会社によって方法は異なります。交通費全額支給の会社もあれば、上限を定めている会社や一律で支給する会社もあります。 バイトを掛け持ちしている場合は、それぞれのバイト先で交通費に関する規定があると考えられます。不正受給にならないか心配な場合は、それぞれのバイト先に確認してみるとよいでしょう。
交通費の不正受給に注意! 超過分の返還請求や懲戒処分の事例あり
交通費の支給に関するルールは会社の裁量に任せられており、自己判断には注意が必要です。 自宅からバイト先までの交通費をもらっている人が、ほかのバイトを掛け持ちするようになった場合に、実際よりも多くの交通費が支給されるようになるケースがあるでしょう。自己判断で黙ったまま交通費をもらっていると、会社によっては不正受給として扱われる場合があります。 交通費の不正受給があった場合に、社員に対して懲戒処分や不正に受け取った分の返還請求が求められた事例があります。ほかにも、通勤経路の一部でマイカー勤務をして通勤手当を不正受給したとして、減給処分や停職処分を受けたという事例もあります。 必ずしもこのような処分を受けるとは限りませんが、バイト先に何も相談しないまま実際よりも多い額の交通費をもらうことは避けたほうがよいでしょう。