大工大と大阪商工会議所 梅田発イノベーションで提携
大工大と大阪商工会議所 梅田発イノベーションで提携 撮影:岡村雅之 編集・ナレーター:柳曽文隆 THEPAGE大阪
大阪工業大学と大阪商工会議所が4日、大阪市北区の梅田キャンパスで提携協力に関する協定を締結した。開設まもない新キャンパスにあるロボティクス&デザインセンターを拠点に、中小企業や起業家が大学の設備や知見を借りながらイノベーションに挑む。若者が集まる茶屋町から、どんなヒット商品が飛び出すか。 【拡大写真付き】関西初のドローン操縦者養成スクール開校 デモ飛行も
第4次産業革命をリードする人材を共同育成
協定締結式には西村泰志大工大学長、尾崎裕大商会頭らが出席。西村学長は「梅田キャンパスでは地の利を生かし、産官学の連携に加え、広く市民を巻き込んで開かれた大学を目指す」と新キャンパス開設の理念にふれ、「ロボティクス&デザインセンターの狙いは、イノベーションを創出できる人材の育成。産業界の皆さんとも連携して成果を上げ、梅田を中心に大阪、関西を元気にしたい」と意気込んだ。 尾崎裕会頭は「大阪商工会議所として、IoTやドローン、AIなど、第4次産業革命と呼ばれる最先端分野に、中小企業がチャレンジできる環境醸成を図りたい」と述べ、「梅田キャンパスの設備を借りて、会員企業が試作できることや、課題解決などで研究陣の知見を伝授していただけることは、とても力強いサポートになる」と連携協定の意義を強調した。 調印後の質疑応答で、大工大側が「学生たちは聞き慣れた教員の話よりも、企業人の話に緊張感をもって耳を傾ける傾向がある。企業人との対話から学べる教育効果も高い」と報告し、産学連携の「生きた教室力」に期待をにじませた。大商側も「学生には現場感覚がいい勉強になるのではないか。学生と企業人が互いに刺激し合う交流になればいい」と、ともに成長できる利点に共感を示した。
茶屋町からどんなヒット商品が飛び出すか
大工大梅田キャンパスは4月オープン。地上21階・地下2階建てで、高さは125メートル。若者たちが集まる茶屋町に開設された。ロボティクス&デザイン学部と同大学院で学生たちが学び、併設のロボティクス&デザインセンターが外部の人材も受け入れるオープンイノベーションの拠点となる。 同センターは3Dプリンターやレーザー加工機などの工作機械を多数所有。今後、大工大と大商間の協議を経て、大商会員企業らに対するサポート体制を決定する。中小企業や起業家が3Dプリンターなどを活用して試作品を手掛け、大学研究員の助言を得て商品化へこぎつける展開がベストシナリオだ。 締結式を終えた後、尾崎会頭ら大商関係者が梅田キャンパスを視察。同センターの設備などを確認しながら、案内スタッフの説明に真剣な表情で聞き入っていた。工作機械、若者文化とベンチャー精神のコラボレーション。「ものづくりは茶屋町から」の時代が訪れるだろうか。詳しくは大阪工業大学や大阪商工会議所の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)