【大分】県内初の夜間中学開校へ 役割と課題は?
大分朝日放送
大分県立の夜間中学の開校に向けてオンラインでの模擬教室がありました。 大分県は、義務教育を修了していないなど、様々な理由で学び直しを希望する人を対象に、2026年4月に大分県内で初めてとなる夜間中学を設置する計画です。 29日の夜はオンラインで模擬教室が行われ大分県内の10代から70代の7人が参加しました。授業は数学。実際に中学校で数学を教えていた教師が2桁の掛け算の仕方を解説しました。 県義務教育課 田代和馬さん 「勉強をすることはいくつになっても大切なこと。目標や夢を持つことはとても大事。1度のチャンスだけではなくいつまでもチャンスがあって学び直したい。そういう人を応援できる夜間中学になれば」 これから開校に向けて準備が進められる大分県内初の夜間中学。 なぜいま設立されるのか、学校の仕組みや課題も見ていきます。 小栗記者 ここからはフカボリです。 2026年、大分県内で初めて開校する夜間中学。 そもそも夜間中学とはどんなところなんでしょうか。 夜間中学の対象者は戦後に十分な教育を受けられなかった、不登校などで学校に通えなかった外国籍の人、などが中学の課程を夜に学べる場所です。 では、なぜいま夜間中学を作るのでしょうか。 実は文部科学省が2027年4月までに全都道府県に1校以上の夜間中学を設置するように義務付けているんです。 現時点では31都道府県に53校設置されていて、大分にはありません。 設置を進めている背景としては、SDGsの観点から外国人にも同じような教育を受けてほしいということや、不登校の児童生徒が増えているため将来の進学先の選択肢を増やしていく、といったことが挙げられています。 下野アナ どんな授業が行われるのでしょうか? 小栗記者 夜間中学でのある1日の授業の流れを見ていきます。 授業は午後5時に始まり国語や数学などを午後9時まで学ぶ時間割です。 音楽や体育もあります。 週に5日間、中学で学ぶ全ての教科を同じ課程で学んでいきます。 そして給食がある学校もあるんです。 日中の中学校と同じように進んでいくんです。 設立準備も進んでいます。 いま決まっていることとしては、2026年4月に開校予定です。 授業料は無料で中学卒業の資格が取れます。 また、大分県内各地から通うことを見越してオンライン授業も検討しているそうです。 しかし、まだ課題もあると県義務教育課の田代さんは言います。 1つ目は設置場所です。いまある中学校の校舎を使うのか、公共交通機関を使う時の利便性はどうか、など検討しています。 2つ目は入学対象者と人数です。入学できる要件をどこまで広げるべきなのか何人受け入れられるのか、希望者が全員入れるわけではなさそうです。 3つ目はどのような夜間中学を目指すかです。多様性を学び、自分らしさが発揮できるなどどこに重点を置いた学校にしていくのか、まだまだ検討する必要があると言います。模擬教室などを通してどんなニーズがあるのか今後探っていくということです。 大分県内初の夜間中学開校に期待が高まりますが、義務教育の学び直しをしたいと思った誰もが学べる場になるといいですね。