栃木県内で51年ぶりの清酒蔵 鹿沼の小林醸造、旧小学校体育館を改装し竣工式
清酒製造業の小林醸造(栃木県鹿沼市上粕尾、小林一三(こばやしいちぞう)社長)は4日、同所の旧上粕尾小体育館を改装した「前日光醸造所」の竣工(しゅんこう)式を行った。県内で新たな事業者が清酒醸造を行うのは51年ぶりで、37年ぶりに鹿沼市産の清酒が復活する。 【動画】県内51年ぶりの清酒蔵 ◇ほかにもWeb写真館に写真 同社は酒類卸小売業の小林酒店(鹿沼市千渡、小林社長)が設立し、後継者が不在だった大田原市の池島酒造の事業を譲り受け、清酒製造免許の移転許可を受けた。酒蔵ごと経営を引き継ぐ事例はよくあるが、酒蔵を新設する取り組みは全国でも珍しい。 竣工式には松井正一(まついしょういち)鹿沼市長や石井陽子(いしいようこ)県産業労働観光部長など約40人が出席。小林社長は「この地で(酒造りを)何百年も続けていくことが私の使命」とあいさつし、松井市長は「中山間地域の活性化を含めて鹿沼を盛り上げてほしい」と期待を寄せた。 同醸造所は小売店や飲食店などが求める酒を小ロットで造る「オーダーメード酒」を主軸とするほか、池島酒造の銘柄「池錦」や小林酒店オリジナルの「鹿沼娘」も醸造する。