キャリアの常識が大きく変化!「就職したら石の上にも3年」が若手社員に響かないワケ【人事のプロが解説】
今までのキャリアの常識とこれからのキャリアの常識を比較する
上側(×がついている方)が今までのキャリアの常識、下側(〇が付いている方)がこれからのキャリアの常識です。 ×新卒で入社した会社に勤め続ける 〇キャリアはファーストキャリア、セカンドキャリア、サードキャリアとマルチステージを歩む ×キャリアは会社が決める 〇自分のキャリアは自分で決める ×会社の仕事だけに専念する 〇複数の仕事をパラレルに行う ×社内人脈を重視 〇社外人脈こそが財産 ×特定の会社にだけ通用する個別スキル・知識に精通する 〇汎用性の高いポータブルスキル・知識を蓄積するいかがでしょうか? 若手のみならずミドルシニアの皆さんにとっても時代の流れが下側のキャリアの常識にシフトしていっていることを納得されるのではないでしょうか。 次の表は、1947年から2019年までの常用労働者1人平均月間現金給与額の推移グラフです。 高度成長時代は、「石の上にも三年」という格言が実際に活きていました。3年我慢すれば給料も上がり、いいことがあるので、それまでは我慢というアドバイスをよく先輩から聞かされたものです。 筆者は1984年入社ですので次ページの表の枠の範囲が入社3年間になります。その少し右側の〇がバブル時代の3年間です。どちらの時期も「石の上にも3年」の通り、3年間我慢すれば確実に給与が上がっていました。しかしながら、バブル崩壊後の山一証券破綻が象徴的な1997年金融危機の直前をMAXとして以降給与額は上がっていません。 「石の上にも3年」という格言は、今の若手サラリーマンにとって、まったく説得力を持っていないのです。こうした事実に若手は肌感覚で感じていますので、シニア世代がいくら「3年間頑張ればいいことがある」といっても若手世代はまともに受け取らないのは当然のことなのです。 木村 勝 行政書士 リスタートサポート木村勝事務所 代表
木村 勝