松村沙友理「シンプルな作業でも十分美味しい」食べるの大好きアラサー女子役で新たな発見:インタビュー
元乃木坂46の松村沙友理が、連続ドラマ『焼いてるふたり ~交際0日 結婚から恋をはじめよう~』に(読売テレビ・ドラマDiVE枠、中京テレビで放送中)に出演。松村は食べるの大好きクールなアラサー女子の山口千尋を演じる。本作は、「モーニング」で連載中の人気漫画「焼いてるふたり」(原作・ハナツカシオリ)を連続テレビドラマ化。交際0日で結婚した恋に不器用な福山健太(演・黒羽麻璃央)と千尋の週末婚BBQライフを描く。インタビューでは、千尋を演じるにあたり意識していたことや、撮影の裏側に迫った。(取材・撮影=村上順一) 【写真】松村沙友理、撮り下ろしカット ■不器用な可愛らしさをちゃんと出せたら ――食べることが大好きな松村さんにピッタリな作品と役ですが、撮影はいかがでした? 黒羽さんは調理とその料理の説明もあったので大変そうだったんですけど、私はそれを「うんうん」って聞きながらおいしく食べる役だったので、本当にいい役をいただいたなと思いました(笑)。 ――千尋はどのような人物だと思いましたか。 千尋さんは会社でクールビューティーと言われているぐらいなので、あんまり感情を表に出すのが得意なタイプではないのですが、好きなものに一直線だったり、美味しいものを食べた時の感情など、いろんなことを感じられる子なんです。 ――どのようにアプローチしようと思いましたか。 クールすぎない不器用さを目指しました。黒羽さん演じる健太さんも不器用なタイプだと思うのですが、千尋さんも不器用なタイプだと思ったので、その不器用な可愛らしさをちゃんと出せたらいいなと思っていました。 ――千尋を演じるにあたり、こだわっていたところはありますか。 千尋さん、最初は自分の感情を表に出すのが得意ではなかったと思います。なので、その感情をどのくらい出していくのかというのはこだわっていた部分でした。健太さんと一緒に過ごしていくことによって、今までの自分が壊されていって、感情が表に出ていく感じが話数が進むことによって見えるようになればいいなって。そこは監督と一 緒に話し合いながら調整していたところでした。 ――それは顔の表情だったり、声のトーンで表現される感じですか。 そうです。他には食べた時のリアクションです。美味しいという感情表現も、最初の方は全面的に表には出さないようにと、自分なりに調整して演じていました。 ――松村さん自身と千尋が重なる部分はありましたか。 私は割と思ったことを何でも言えてしまうタイプなので、千尋さんみたいに溜め込んだりというのはあまりないのですが、美味しいものとか、好きなものには一直線という部分はすごく似ているなと思いました。それこそ千尋さんは出会ってすぐ健太さんに結婚を申し込むのですが、私も自分の直感を信じるタイプなので、これだと思った時の迷いのない感じはすごく似ているなと思いました。 ――松村さんはどんな時に直感を信じることが多いですか。 昔からアニメが好きで、自分の好きなキャラクターのグッズを買う時です。もう見た瞬間に迷わず買ってしまいます。 ――後で後悔とかされないんですか? 私は後悔はしないんですけど、家に帰ってから母に怒られるときもあります(笑)。あと同じものでもなぜか欲しくなってしまうんです。タペストリーとかフィギュアとかすでに持っているのに、欲しい時は持っていることなんて気にせずに買ってしまいます。 ■料理ってそんなに難しいものじゃないんだ ――止められない感情みたいなのがあるんですね(笑)。さて、ドラマでは結婚生活がメインとなって進んでいきます。結婚は人生の中でも大きな決断だと思われますが、千尋は健太のどんなところに惹かれたと思いますか。 千尋さんはあまり思っていることを言えない、健太さんは千尋さんとは逆に言えるタイプなのですが、しゃべっている時に周りの人に対して感じていることが一緒で、生き方が2人は近いというのがすごく大きかったんだと思います。きっと悩んでいる部分が一緒なんじゃないかなって。 また、人間としての根本みたいなところは近いのですが、趣味の部分では健太さんと千尋さんは違うんです。千尋さんは仕事をバリバリやって家に帰って寝るだけみたいな感じなのですが、健太さんは頑張って働きながらもちゃんと趣味があるんです。そういう自分と違う面というのも、千尋さんにとってすごく刺さった部分だったんじゃないかなと思います。 ――撮影を行っていく中で、ためになったことや発見はありましたか。 今回作品を通して思ったことは、料理ってそんなに難しいものじゃないんだなと思いました。私は普段そんなに料理をしないので、どこか料理って面倒くさいなっていうイメージがありました。今回、撮影で料理をしているところを見て、シンプルな作業でも十分美味しいものを作れるというのは発見でした。肉巻きとかもあまり凝った味付けをしなくても、塩とコショウだけでもすごく美味しかったです。 ――健太役の黒羽さんとは初共演ですよね。どのような印象を受けましたか? 色々な作品に出られているのは知っていました。すらっとしていてイケメンで、クールな方だと思っていました。黒羽さんが演じる健太さんはそういったイメージではなかったので、どんな感じになるんだろうと思っていたのですが、お会いするとご本人はすごい朗らかでした。みんなと楽しくお話しをしたりして、お会いして印象がとても変わりました。 ――黒羽さんとお芝居について話し合ったりされましたか。 監督とはお芝居に関してよくお話したのですが、黒羽さんとはそんなになかったと思います。どちらかというとくだらないお話ばかりしていました。 ――現場の雰囲気はいかがでした? 撮影は主に黒羽さんと2人のシーンが多かったので、スタッフさんも少人数という感じで、家族感がすごくありました。撮影で使ったお家も平屋の一軒家で、自宅にいるかのようなリラックスした空間だったので、現場はすごく和やかで楽しかったです。 ■スタッフのこだわりが詰まった料理シーン ――食事のシーンはとてもキーになりそうですが、千尋が料理を作るシーンもあります。そこはいかがでしたか。 楽しかったです。でも、8 割ぐらい健太さんがやってくれたので、結局私は食べるだけという感じになってしまいました(笑)。自分の調理シーンは少しでしたが、すごく緊張しました。また、別の取材で黒羽さんが料理を作るシーンは殺陣みたいだったとおっしゃっていたのも、確かにと思いました。 ――殺陣ですか? 1 つでも工程を失敗すると全部ダメになってしまうので、頭からやり直しになるという緊張感があって、「絶対にこれは失敗できない」みたいな雰囲気でした。それが殺陣のシーンと似ていたみたいです。調理シーンは各部門のスタッフさんたちが「絶対においしく撮るぞ!」とこだわりが詰まったシーンになっているので注目してもらえたら嬉しいです。 ――食べることが大好きな松村さん。食べるシーンで大変だったところは? 食べるだけではなく、食べた後にセリフがあるので大変でした。美味しそうに食べるとなると豪快に食べる方が千尋さんは魅力的に見えると思うのですが、豪快に食べ過ぎると、その後のセリフが言いづらくなってしまいます。どれくらいの量を口に含むか、セリフをどのタイミングで言うのか、というのを意識していました。 ――もしNGを出してしまったとしても、食べるシーンは何回でも大丈夫ですか。 はい! 何回でも食べられます。セリフがあるので、いっぱい食べられないときもあるのですが、そういう時はわざとNG出そうかなって思うくらい(笑)。それくらい料理がおいしかったので、何回でも食べられるシーンは嬉しかったです。また、カットがかかってもずっと食べていたので、監督から「ドラマというのはつながりというのがあるんだよ」って(笑)。 ――あはは(笑)。特に美味しかった料理はありますか? 全部美味しかったんですけど、後半の方に出てくる手羽元を使ったバッファローウィングという料理がすごく美味しくて、印象に残っています。バッファローウィングは150本用意してあると聞いていたのですが、そのシーンはたまたま出演者の方が多くて、 1人で割ったら30本ぐらいしか食べられないのか...と考えていたら、三船役の金子隼也さんが、他の方がセリフをしゃべっている時にも食べているのを見て、お芝居のことよりも私は、「ちょっと食べすぎなんじゃない!?」と思ってました(笑)。 (おわり)