【日本ハム】「セコセコ野球」体現 NPB史上初「1安打で4得点」も守備が乱れて逆転負け
◆パ・リーグ 日本ハム4―5オリックス(28日・エスコンフィールド) 日本ハムは本拠地でオリックスに逆転負け。5連勝中だった1点差試合を今季初めて落とし、チームとして5年ぶり、新庄政権初の貯金5を逃した。NPB史上初めて「1安打で4得点」を奪うも、今季最悪の3失策と守備陣が乱れ、2度のリードを守り切れず。打線も今季最少の1安打に終わった。2カードぶりの勝ち越しに向けて、29日の3戦目に挑む。 3万550人の大声援が、ため息に変わった。17安打9得点と爆発した27日から一転、打線がわずか1安打と沈黙。開幕から5戦全勝だった1点差ゲームで今季初めて敗れ、ラストバッターとなった清宮は「打撃でも貢献できず、守備でも迷惑をかけてしまった」と悔しさをにじませた。 守備のほころびが失点に直結した。先制した直後の5回。1死二塁から詰まり気味の三ゴロを処理した清宮が一塁へジャンピングスローを試みて悪送球。そこから同点に追いつかれると、7回は田宮の二塁悪送球が点につながった。谷内内野守備走塁コーチは「守備で落とした試合。僕が悪い」と計3失策の守りが敗因と分析。5回の清宮は打者ゴンザレスの走力を把握していれば慌てる必要がなかっただけに「判断ミス。チームが求めるのは確実にアウトを一個ずつ取っていくこと」と反省を促した。 逆転負けを喫したが、光明もあった。打線は4回に4四球と相手失策を絡めて無安打で2点を先取。5回も四球と盗塁、適時失策で一時勝ち越し、この日唯一の安打となるマルティネスの適時二塁打でさらに1点を加えた。1安打で4得点は史上初の珍事となったが、新庄監督が掲げてきた泥くさく点を奪う「セコセコ野球」を全員が体現した。 開幕から全試合で4番に座るマルティネスは直近5戦の打率が5割2分2厘と絶好調。一時は0割台まで落ちた打率を一気に2割5分3厘まで上げ「また前を向いてやっていく」と力を込めた。指揮官も試合後「1勝1敗。たくさんのファンが見に来てくれているから明日は勝つ!」とコメント。最後に球場を出た清宮は「試行錯誤を重ねて、切り替えて、また新たな気持ちでいきたい」と巻き返しを誓った。 (堀内 啓太)
報知新聞社