熱海・伊豆山発のカワイイまんじゅう! 古民家改装しオープン「土石流復興の助けに」
大規模土石流が発生した熱海市伊豆山の被災地近くに今月、まんじゅう店「アンドット」が開店した。来月3日で発災から丸3年。伊豆山で被災者支援に取り組む高橋一美さん(47)が「にぎわい創出のきっかけになれば」と開業にこぎ着けた。伊豆山発の新たな観光土産として売り出し、復興の一助にしたい考えだ。 国道135号逢初(あいぞめ)橋から徒歩2分、築100年超の古民家を改装して店舗を構えた。甘さ控えめの白あんをカステラ風の生地で包み、一つ一つ丁寧に焼き上げる。スマートフォンに保存された観光風景や家族、愛犬などの写真を食紅で転写する「イラストまんじゅう」に加え、熱海温泉の「焼き印入りまんじゅう」などを販売する。 高橋さんは伊豆山で経営する弁当店が土石流に襲われ、一時休業を余儀なくされた被災者の一人。まちの再生に向けてNPO法人テンカラセンを設立し、高齢者宅に物資を届けたり、コミュニティーカフェ「あいぞめ珈琲店」を開店したりした。次の一手となるまんじゅう店。熱海駅前や中心街に立地した方が売り上げは見込めたが、「伊豆山でやらなきゃ意味がない」と地元出店にこだわった。 アンドットは交流サイト(SNS)のインスタグラムや口コミで認知度を上げつつある。11日には市内の保育園児を迎え、父の日のプレゼント用まんじゅうの作り方を指南した。市内のホテル旅館やコンビニ店に販促活動も行い、伊豆山の新名物として定着を図る。
静岡新聞社