東京円、92銭安の1ドル=159円68~70銭…再び介入への警戒感
週明け24日の東京外国為替市場の円相場は円売り・ドル買いが進み、一時1ドル=159円94銭をつけた。政府・日本銀行による為替介入があったとみられる4月29日以来、約2か月ぶりの円安水準で節目の160円台が目前に迫り、市場では再び介入への警戒感が出ている。 【図表】直近1か月の米ドルの値動き
米国の経済指標が景気の堅調さを示し、日米金利差の開きを意識した円売り・ドル買いが進んでいる。前週末に発表された6月の総合購買担当者景気指数の速報値は2年2か月ぶりの高水準で、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが先送りされるとの観測が広がった。
東京市場では24日、日銀が公表した6月の金融政策決定会合の「主な意見」で追加利上げの是非が議論されたと伝わったが、円買い・ドル売りの材料にはならなかった。午後5時、前週末(午後5時)に比べて92銭円安・ドル高の1ドル=159円68~70銭で大方の取引を終えた。
鈴木財務相は24日、記者団に「(為替の)過度な変化はふさわしくない。引き続き市場の動向をしっかり見て、必要に応じて適切な対応を取っていきたい」と述べ、市場の動きをけん制した。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは「為替介入で環境を変えるのは難しいが、1週間程度で1ドル=162円近くまで急速に円安が進めば、再び介入が行われる可能性が高まる」と指摘する。